今日は貿易理論でした.期末試験の範囲は今日の講義までです.来週は質問を受け付けます.質問がなければ中間テストの解説をする予定です.
【授業の内容】
1年次にすでに習ったそうですので,簡単に比較生産費説を説明しました.絶対優位と比較優位の違いはわかりましたか?貿易の優れた点は比較優位さえあればパレート改善が可能となることです.絶対優位がないということはありえるでしょうが,比較優位がまったくないという国は存在しないでしょうからね.
次に,比較生産費説の内容を,図を使って(貿易三角形)説明しました.この図は前期の内容(価格の変化による予算線の傾きの変化)と似ていますね.実際,国内(相対)価格から国際(相対)価格へと価格が変化しているため,国の予算線の傾きが変わっています.
最後に貿易を余剰の点から分析しました.閉鎖経済(鎖国の場合),開放経済(自由貿易の場合),さらに関税を課した場合,という3つのシチュエーションでどのように社会的余剰が変化するのか図を用いて説明しました.閉鎖経済より開放経済が良いことは先ほどの例でも明らかですが,関税をかけると税収は入るが社会全体にとって見れば望ましいことではないことも明らかになりました.
これまでの講義でわかったことは,一貫して,完全競争市場の条件が満たされる場合には自由放任がもっとも社会的に望ましく,政府などが下手に介入すると余剰が減少するようです.
ミクロ経済学のテスト問題が解けたからといって社会に出て役立つとは思いませんが,ミクロ経済学の講義を通じて得られた一般的な法則性などは様々な状況下で応用可能なものだと思います.厳しく難しい講義だったと思いますが,それに最後まで熱心に取り組んだ人は,それなりに得るものがあったと思いますし,そうであって欲しいなぁと思います.
2008年1月17日木曜日
ミクロ経済学ベイシックⅡ 第14回
投稿者
水ノ上 智邦
時刻:
18:24
ラベル: 2007, ミクロ経済学ベイシックⅡ
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿