今回から目新しいこともなく,粛々と復習するのみです.
【授業の内容】
というわけで,内容については特に書くこともないのですが,テストの点数についてはちょっと不満です.いまだに低い点数しか取っていない人は努力してないのではないでしょうか?SPIは時間をかければ誰でもそこそこ点数が取れるテストです.ではなぜそれを学生に課すかと言えば,就活に向けて最低限の努力をしていない人を振るい落とすためだと思います.
ちなみに今日(9/26)はNHK徳島で20:00から「これが私の天職だ。~徳島・仕事に悩む若者たちへ~」という番組があるそうです.参考になるかもしれませんね.
http://www.nhk.or.jp/tokushima/program/program-2008-09-3.html
2008年9月26日金曜日
総合政策演習D 第3回
経済学Ⅰ 第3回
今回は,物価と名目値・実質値について説明しました.
【授業の内容】
まず物価から説明しました.最近は物価が上昇してるので,みなさんにとっても身近な話題だと思います.物価の説明ですが,「これが物価だ」というものはないので,よく使われる指標を3つ紹介しました.消費者物価指数,企業物価指数,GDPデフレータです.このうち,消費者物価指数の簡単な計算をしました.物価の計算のポイントは基準年があることです.今回は計算をたくさんしましたね.
物価とは何かを理解したところで,様々な値段の変化(違い)を見ました.時系列での変化と,横断面での違いです.外国との物価の違いの話ではしばしばビッグマックがよく用いられます.
さて,物価の変動はどうして起こるのかは2種類に分けられました.Demand Pull InflationとCost Push Inflationです.それぞれ具体例を挙げて説明しましたね.
後半は,名目値と実質値の違いを説明しました.我々は普段名目値に目を奪われがちですが,重要なのは実質値であることがわかったはずです.例として,GDPと所得を取りあげました.どちらも名目値にはあまり意味がありませんでしたね.これらは実際に単純な例で計算してみました.
ニュースなどでGDPが出てくる際は,よく注意して聞いておくと「実質GDP」が使われていることがわかります.経済学Ⅰでせっかくマクロ経済学について学んでいるので,実際のニュースにもちょっと気をつけてみてください.
【小テスト】
今回の小テストは名目GDPと実質GDPの計算問題でした.ちなみに全員正解でした.今後もがんばってください.
【アンケート】
「黒板の字が小さい」という意見と,「実質GDPがわかりづらい」という意見がありました.黒板の字はもう少し前に座ってくれれば良いと思います.GDPの方は来週の講義の冒頭でちょっと説明したいと思います.
2008年9月24日水曜日
総合政策演習B1②
今日から本格的に演習を!と思っていたのですが,前回とまったく顔ぶれが違いました.どういうことだ?
【授業の内容】
とりあえず前回予告したとおり小テストを行いました.そんなに難しくないと思います.来週は完全独占の小テストをします.
今回の本題は完全独占です.独占の基礎となる部分ですので,きっちり理解しましょう.やることはワンパターンですし,計算も大変ではないので困ることはないでしょう.限界収入=限界費用の式を作れば最適な生産量が出てくるし,それを需要関数に代入すれば価格も出てきます.
【課題】
テキストの完全独占の問題のうち,必修問題とNo.1-5までを確実にやってください.No.5は少々難しいですけどね.
2008年9月22日月曜日
ミクロ経済学ベイシックⅡ 第2回
前回に引き続き,ゲーム理論をやりました.
【授業の内容】
前半は支配される戦略の逐次消去を繰り返しました.まずしっかりと利得表の見方を理解することが重要です.見方に慣れるまでわかりにくいと思いますが,しっかり復習しておきましょう.とにかく,相手がどんな戦略を選ぶとしても,自分の他の戦略と比べて劣っている戦略(これを支配される戦略と呼びます)を排除していきます.それを繰り返すことで,それぞれが選ぶ戦略が1つに絞られる場合があります.
ただし,上手く行く場合もありますが,この解法では解けない場合も存在します.そんなゲームで力を発揮するのがナッシュ均衡という考え方です.
ナッシュ均衡とは,「自分の選んだ戦略が相手の戦略に対する最適な反応であり,相手の戦略も自分の戦略に対する最適な反応になっている状況」のことです.ちょっと複雑ですね.誤解を恐れず簡単に言えば,互いに裏をかけない状況と言えるかもしれません.
最後に,このナッシュ均衡の概念を利用して,ホテリング・ゲームと呼ばれる問題を解きました.答えがわかった人もちょこちょこいたようですね.なかなか鋭いです.
さて,前回と今回,取りあげたゲームはすべて以下の条件を満たしたゲームです.改めて厳密にゲームを定義しました.
同時手番ゲーム:両者が同時に戦略を決定するゲーム,あるいは自分が戦略を決定するまで相手がどの戦略を選んだかわからない(逆も同様)のゲーム.(⇔逐次手番)
非協力ゲーム:それぞれのプレイヤーは自身の利得を最大化することのみに関心がある.(⇔協力ゲーム)
完備情報ゲーム:互いに利得表について知っており,かつ相手が利得表を知っていることもわかっている.(⇔不完備情報ゲーム)
完全情報ゲーム:互いに過去にどの戦略を選んだかを知っている.(⇔不完全情報ゲーム)
来週は,目的が利得の最大化ではないゲームや逐次手番ゲームを紹介します.また,どの戦略を選ぶかに確率を導入したゲームもやれればやります.
ラベル: 2008, ミクロ経済学ベイシックⅡ
経済数学入門 第2回
今日は,前回に引き続き関数です.基礎的な内容ではありますが,それだけに今のうちに確認しておくことは非常に重要です.
【授業の内容】
まず,高校までの数学とは異なり(?),経済学では3つ以上の変数を用いることは珍しくありません.例えば,2つの異なった種類の数値(ビスケットとジュースの消費量)をインプットして,新たな数値がアウトプット(幸せ)として出てくるような使い方をします.
今回は関数の基礎として,1次関数と2次関数を駆け足で復習しました.どちらも方程式が解けるだけでなく,それらがグラフでは何を意味しているかがわかることが重要です.経済学ではよくグラフが出てきます.
文章にするとこれだけになってしまいますが,本当に重要な所なので,課題をキッチリとやってきてください.
【課題】
今回配布した課題は次週,提出してもらいます.
2008年9月19日金曜日
総合政策演習D 第2回
今回もいつもどおりです.
【授業の内容】
テストの内容は前回の復習,ブラックボックス,物の流れ,PERT法と時事問題でした.時事問題は多くの人ができていましたが,そうでない人もいました.ちょっとぐらいニュースに関心持ちましょう.
また息抜きに,「落ちても良い企業」というのを紹介しました.結構タメになる記事だと思ったのですが,どうですか?
【次回のテスト】
とりあえず範囲が終わったので,今後はこれまで学んだ内容からランダムに出題します.また時事問題も出します.コンスタントに7割ぐらい取れるようにがんばりましょう.
経済学Ⅰ 第2回
この講義は早くも2回目ですね.今回は前回の復習をした上で,経済のプレイヤーたち(経済主体)を紹介し,経済学の歴史(の一部)を説明しました.
【授業の内容】
経済には様々なプレイヤーがいます.まずもっとも重要な2つの経済主体として,民間側に企業と家計がいます.この2つの主体が市場で様々な取引を行うのですが,これが市場経済の原動力です.この他,民間側には企業と家計の間でお金の仲介を行う銀行が存在します.一方,民間側ではないところ(公)には,政府と中央銀行というこれまた重要なプレイヤーがいます.この2つは様々な形で市場に介入を行います.
さて,今回は経済学の歴史をこの「介入」をキーワードに説明しました.まずは18C後半のアダム・スミスを筆頭とする古典派から始まります.古典派の特徴は,「神の見えざる手」の存在,つまり市場では企業や家計が各自の利益だけを求めて好き勝手に行動しているにもかかわらず,市場全体として需要と供給が上手く均衡しており,まるで見えない神の手が物事を調整しているようだ,というものです.簡単に言えば,「市場はよくできている」ということです.そのため,政府が介入をすると邪魔になるので,なにもするな,ほっとけ「為すに任せよ(レッセ・フェール)」というのです.政府が関与して良いのは,警察や消防など,民間側が行ってくれない最低限の公共的な仕事のみなので,古典派の理想とする国家像を夜警国家と呼んだりもします.また供給が需要を決定するセイ法則というのも特徴でした.
しかし,世界大恐慌を期に,ケインズ派が台頭します.ケインズ派は市場を信頼しておらず,市場が失敗すると積極的に介入しようとします.需要が供給(総生産)を決めるという有効需要の原理を唱えるため,景気が悪いときには政府支出を増加して,需要を喚起し,景気回復を狙います.
日本でもこの理論に則り,景気が悪けりゃ道路を作れ,ダムを造れとしてきたわけですが,近年あまり効果は実感できませんでした.そして残ったのは巨額の借金(国債残高)です.アメリカ,イギリスもすでに同様の状況に陥り,財政再建を目指して新古典派へと転換していました.日本も遅ればせながら財政再建に取り組みます(たぶん…).
新古典派のキーワードはやはり「市場への信頼」です.そのため,近年の日本では「規制緩和」,「官から民へ」といったフレーズが繰り返し用いられました.郵便局も民営化されましたね.
次週は物価について説明します.
ミクロ経済学ベイシックⅡ 第1回
後期はどれだけ登録してるのかなぁ?と心配だったのですが,結構多かったですね.前期はみんな真剣に勉強していましたが,後期もその調子でよろしく.
【授業の内容】
まず,前期との違いを説明しました.前期で扱った内容は,完全競争市場という机上に存在する(経済学者にとって)理想的な社会です.しかし,現実はそうではありません.前期で想定していた様々な仮定は成立しません.そのため,後期ではそれらの仮定が成立しないときに各経済主体の行動はどうなるのかを考えます.
そのスタートとして,「多数の売り手と買い手が存在する」という仮定が破られた場合として,独占市場を考えます.独占市場を理解するために,まずはゲーム理論を学ぶ必要があります.
講義の後半は早速ゲーム理論におけるゲームについて考えてみました.有名な囚人のジレンマというゲームです.今回はまぁ挨拶程度で,次回から本格的にゲーム理論に取り組みます.
ラベル: 2008, ミクロ経済学ベイシックⅡ
経済数学入門 第1回
多忙により更新が遅れました.初回である今回は,チームリーダーを決め,チーム毎に分かれてもらいました.また,関数とは何か,高校までで見過ごしがちである問題を考えてみました.
【授業の内容】
関数とは何でしょう?「ある変数に依存して決まる値,あるいはその対応を表す式のこと」という定義が多いようです.講義では,「ある数字を入れると,新たな数字を発生させるブラックボックスのようなもの」という説明をしました.大事なポイントは,そこには流れがあることです.原因となす数字があり,それが結果となる数字を生み出します.
というと抽象的で難しそうですが,我々は普段から無意識に関数を使用しています.講義では,一緒にご飯を食べる人数から,その時に必要なハシの本数を見つけ出す作業をハシ関数として説明しました.その他,外食に行く回数と食費の関係を考えました.
また,それぞれの関係をグラフに表現しました.グラフを描く場合には,原因となる変数を横軸に,結果となる変数を縦軸に描くのが慣例です.
後半は,文章から関数を作り出す例題を各自で解いてもらいました.
この講義のポイントは学生同士で教え合うことなのですが,やはりなかなか難しいかな?工夫が必要そうですね.
【課題】
配布した課題プリントは次回の講義で提出してもらいます.
2008年9月16日火曜日
基礎総合演習B 第1回
今日は初回と言うこともあり,顔合わせをしてチーム分けをしました.
【授業の内容】
演習では3人ずつの3チームに分かれ,様々な取り組みをしてもらいます.目標は12月のプレゼンコンテスト,2月のポスターセッションコンテストへの出場です.
とりあえず今回はチーム分けとチーム名の決定.さらに最初の目標であるオープンキャンパスでのプレゼンに向けて,高校生は大学の何を知りたがっているか考えてもらいました.各チームともそれぞれコミュニケーションが取れていたようなので何よりです.
【課題】
各チーム,オープンキャンパスで5分程度発表するためのテーマを考えましょう.来週発表してもらいます.
経済学A 第1回
今日は初回ですが結構重要なことを説明しました.
【授業の内容】
まずこの講義の評価について説明しました.期末テストで評価しますが,発表により加点します.個人的には出席はあまり重視しませんが,決まりなので1/3以上休むとテストが受けられません.
さて,今日の内容ですが,前半は「経済学とは何か?」,「合理性」と「インセンティブ」について説明しました.特にインセンティブというのは経済学において重要な概念です.様々な例を使って説明したので,どのようなものか,なんとなくイメージはつかめたと思います.
後半は,「ダイヤモンドはなぜ高いのか?」を説明しました.なんとなく「ダイヤは珍しいんだから高くて当たり前だ」と思っていたかもしれません.しかし,希少性は決定的な要因ではありません.なぜなら希少でも価値がないものもあるからです.また,石ころに比べればダイヤは希少ですが,宝石の中ではそれほど希少とは言えないことも例として挙げました.結論から言うとモノの価格は需要と供給とのバランスで決まります.いくら需要があっても,水や空気のように豊富に存在するモノは高い値段で取引されません.逆にいくら供給が少なくても(希少であっても),需要がなければ取引すらされないかもしれません.
というわけで,最後に鶏の卵の赤玉はなぜ白玉より高く売買されるかも説明しました.納得しましたか?
2008年9月11日木曜日
【お知らせ】青年海外協力隊
JICA四国さんから,徳島県の青少年活動支援センターで行われる無料公開講座のお誘いがありましたので,お知らせします.
「南国の笑いと涙の2年間~青年海外協力隊体験談~」
日時:10月3,10,17日(金曜日)
場所:徳島県青少年活動支援センター(県庁の近くのようです)
http://www14.ocn.ne.jp/~tssc/access.html
3人の講師の方が自らの体験を語って下さるそうです.希望する人は以下のページからどうぞ.
http://www14.ocn.ne.jp/~tssc/kouza/kouza03.html
総合政策演習D 第1回
3年生のみなさんは久しぶりですね.やはりインターンシップを経験したせいかパッと見は大人しくなりましたね.
【授業の内容】
今後の就活の流れを説明した後,テキストで取りあげてない分野の問題を説明しました.
まぁ問題はともかく,就活の流れに遅れないようにしましょう.今日の講義では紹介しませんでしたが,以下のサイトも参考になると思います.
履歴書の正しい書き方、効果的な書き方とは:まずはここから.
http://jibun.atmarkit.co.jp/lcareer01/special/resume08/resume01.html
面接突破大作戦:国家Ⅱ種受験者向けのサイトだし,ちょっと古いのだが,民間企業を狙う人にとっても大部分が有効だと思う.
http://www.columnist-seiji.com/sub7-1.html
Tech総研「人事が不採用ボタンを押すNG回答ランキング」:タイトル通りですね.「こんなやつおらんやろ!」と思える人はまともだと思います.「えっ,ダメなの?」という人は危険です.
http://rikunabi-next.yahoo.co.jp/tech/docs/ct_s03600.jsp?p=001101&vos=nyternns000000000001
元・採用担当だけどなんか質問ある?:上の3サイトもそうですが,ネットの情報は鵜呑みにせず,真贋を見極めて賢く使いましょう.「基礎的すぎて,人に聞きづらい」という質問があるので参考になるかも.
http://news4vip.livedoor.biz/archives/51146799.html
サイトも良いけど,できれば就活をがんばってた先輩に聞くと良いですよ.積極的に!
経済学Ⅰ 第1回
今日から経済学Ⅰが始まりました.商科の1年生の人は初めましてですね.
【授業の内容】
今日は経済学Ⅰの内容であるマクロ経済学とは何かを主に説明しました.マクロとミクロの違いを説明した後,経済成長の目安であるGDPとは何かを具体例で説明しました.
GDPは国内総生産と訳されますが,正確に言うと「どれだけモノが作られたか?」ではなく,「どれだけ付加価値が発生したか?」を表すものです.
続いて,三面等価の原則と総支出の内訳を利用して,ケインズ派経済学の立場から,消費税や政府の公共事業が景気にどのように影響するのかを大雑把に図解しました.今日のイメージを理解していれば,今後の講義内容がよりよく理解できると思います.というわけで,来週の冒頭でちょっと復習するつもりです.
来週は今日出てきたケインズ派以外の経済学説と,それらが登場した経緯を説明します.
【評価についてのお知らせ】
評価は小テスト(約30点)と期末テスト(約70点)の計100点に加えて,発表による加点を行います.当然ながら合計が100点を超えてしまっても評価は最高で100点です.
出席はそれほど重視しませんが,2~3回欠席したら内容が理解できないので結局単位を落とすことになると思います.
2008年9月10日水曜日
総合政策演習B1②
ついに夏休みが終わってしまいましたね.演習B1は後期から水ノ上が担当します.
【授業の内容】
初回からきっちりと授業をしました.今回はゲーム理論と完全独占でした.公務員試験に出てくるゲーム理論の問題は,ミクロ経済学ベイシックⅡの講義内ですでにカバーしているので簡単に済ませました.出題されるのは,純粋戦略のナッシュ均衡,ミニマックス戦略,混合戦略のナッシュ均衡の3種類のようです.
後半は完全独占の復習です.こちらもミクロですでに学習済みなので,それほど難しくないでしょう.
次週はテキストの完全独占の問題をいくつかこなした後,複占の説明をしたいと思います.
なお,この演習をきちんとこなせば地方上級程度であれば特に勉強しなくてもミクロは問題ないようにしたいと思っています.そのため,予習・復習は結構ハードです.
次回はゲーム理論のミニテストを行います.また予習範囲はテキストの完全独占の必修問題とNo.1-5の問題です.解けるだけでなく,解説をしっかり読んで,解法を人に説明できるようにしっかりと理解してきて下さい.