冬休み期間をはさんでミクロ貿易理論の続きです.前回の復習の後,貿易の余剰分析の説明をしました.
【授業の内容】
前回は比較生産費説と貿易三角形について説明しました.しばらく間が空いたので,その復習に時間をかけました.
さて貿易の余剰分析ですが,ここでは閉鎖経済(つまり鎖国中)で完全競争市場である国の余剰と,その国が開放経済,完全に自由な貿易を行う場合の余剰を比較しました.
話の前提条件として,「小国の仮定」を置きました.これは,この国が(経済的に)小国であり,どれだけ輸入や輸出を増やそうと,世界市場には全く影響を及ぼさないということです.結果として,海外から一定の価格でいくらでも輸入することができます.現実の日本の場合,ある財(例えばレアアース)の国内需要が高まり,輸入量を大幅に増やしたい場合,レアアースの世界市場の価格が上昇することになります.なぜなら日本はレアアースの輸入においては大国であるからです.そのため,日本の動向が世界市場に影響を及ぼします.なぜ「小国の仮定」を置くのかと言うと,話が簡単になるからです.
上記のような小国の仮定のもとで,ある財の国内価格が世界市場で決まる価格より安い場合,その財を輸入します.その輸入量は,消費者が購入する量(需要量)から国内の企業が生産する量(供給量)を差し引いたものになります.
余剰については,自由貿易をすることで消費者余剰は増え,生産者余剰は下がります.このことから最近話題のTPPが日本の農家の余剰を下げることが想像できますね.
最後に自由貿易と閉鎖経済の中間として関税の説明をしたのですが,時間が足りず中途半端でしたね.次週は再度,関税について説明します.
2011年1月23日日曜日
ミクロ経済学ベイシックⅡ 第14回(1/19)
投稿者
水ノ上 智邦
時刻:
16:01
ラベル: 2010, ミクロ経済学ベイシックⅡ
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