今回もスルツキー分解です.ただし,前回の内容をグラフで表現しました.まあ,なかなか難しいとこですね.
【授業の内容】
スルツキー分解とは,ある財の価格が変化した時に,その財とそれ以外の財の消費量の変化を,相対価格の変化による効果と,実質所得の変化による効果に分解するものです.前者を代替効果,後者を所得効果と呼びます.代替効果は所得効果を差し引いた相対価格の変化による影響だけを示すもので,所得効果は代替効果を差し引いた実質所得の変化による影響だけを示すものです.
グラフ上では,代替効果は元々の最適な消費点(効用最大化となる消費点)を通る無差別曲線上で,元々の消費点(点A)から,価格が変化した後の相対価格を示す補助線と無差別曲線が接する点(点B)への移動として表されます.
一方,所得効果は点Bから,価格が変化した後の予算線と無差別曲線が接する点(点C)への移動として表されます.
最終的な消費点は点Cです.つまり価格が変化すると消費点は,点Aから点Cへと変化するのですが,その内訳を相対価格の変化によるもの(点A→点B)と,実質所得の変化によるもの(点B→点C)へと分解しました.
なかなか文章で説明するのは難しいですねえ.言葉でも難しいですけどね.今回はかなりゆっくり説明しましたが,わからないという人も当然いると思います.後は個別に僕の所に質問に来てください.個人的に説明したほうがわかりやすいと思います.
最後に異時点間の消費についてのスルツキー分解も説明しました.こちらも中身は同じです.分かりにくいという人はテキストで復習しておきましょう.
【課題】
前回に配布した練習問題を次回提出してもらいます.
2011年6月3日金曜日
ミクロ経済学ベイシックⅠ 第8回(6/3)
投稿者
水ノ上 智邦
時刻:
17:27
ラベル: 2011, ミクロ経済学ベイシックⅠ
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