2009年6月5日金曜日

経済政策論 第8回

 今回も観光についてです.その中でも徳島の観光に焦点を合わせました.

【授業の内容】
 前回確認したとおり,徳島は観光客の少ない県です.いろいろ見所はあると思うのですがなぜなんでしょう?

・阿波踊り以外の目玉は?
 徳島の観光と言えば阿波踊りですが,阿波踊りは時期が限定されるため,観光客の増加はこれ以上望めません.その時期だけ客が多いからといって客室数を増やすことができないからです.やり方によっては日帰り客を増やせるかもしれませんが,日帰り客は相対的にあまり消費しないので,経済規模は小さいです.
 というわけで,阿波踊り以外の観光の目玉を考えてもらいました.すでに観光客が多いものとしては,渦の道やかずら橋が,またそれ以外にも,うだつの町並み,モラスコむぎ,三好ほたる館などが挙がりました.

・海外からの観光客をどうやって増やすか?
 日本に来る海外からの観光客の0.3%しか徳島に来ない,というデータがありましたが,逆に言えば,まだまだ増やせる余地がありそうです.徳島に来る観光客の国籍別では他の四国3県と異なり,もっとも多いのがアメリカ人でした.調べてみると,Alex Kerr氏の影響かも,ということでした.Chi-Ioriを目的に来る人もいるそうですが,徳島県民のどれだけが篪庵を知っているでしょうか?徳島県外(あるいは日本国外)から徳島がどのように見えるかは,徳島で生まれ育った人だけで考えてもわかりづらそうです.
 観光客を増やす案として,交通網の改善とネットによる情報発信が挙げられましたが,交通網の改善は厳しそうです.一方,ネットによる情報発信はコストパフォーマンスが良さそうです.英語で徳島について検索してもあまり便利な情報は出てきませんでした.

3.徳島のエコツアー
 これについては,吉野川のラフティングと日和佐のシーカヤックぐらいしか出てきませんでした.

4.長野県の観光客はなぜ多いのか?
 長野県のことを知らない我々から見ると,失礼ながらどうして長野県にそんなに多くの観光客が訪れるのかわかりませんでした.徳島にとってのヒントになるかと思い,その謎を調べました.
 意見として挙がったのは,3大都市圏のいずれからもそれなりに近い,山岳・温泉・スキーなどの観光資源があるということでした.また長野県の観光統計を見ると,軽井沢高原の宿泊客が多いこともわかりました.僕は軽井沢に行ったことがありませんが,どんな魅力があるのでしょうか?

 今回はいろいろなことがわかりました.次週は次のことについて調べてきてもらいます.
・徳島県によるネットでの広報活動の改善点
・観光客の視点で徳島2泊3日のプランを考える(公共交通機関を使う)
・軽井沢の魅力とは何か
 また,それらを通じて,どうすれば徳島の観光客が増えるか考えてください.

経済学Ⅱ 第8回

 今回は生産者理論のまとめでした.

【授業の内容】
 これまで,企業の費用について調べることで,最適な生産量などがわかりました.今回も図を使って,最適な生産量,利潤や様々な費用を説明し,損益分岐点や操業停止点についても確認しました.
 また,そこから操業停止点を上回る限界費用曲線が,短期における企業の供給曲線であることがわかりました.

 これまで企業の短期(生産設備が一定である)における行動を学んできましたが,今回は長期についても説明しました.生産設備が変化すると(工場が大きくなったり,縮小したり),企業の費用曲線も変わってきます.講義では,生産設備の大きさを変えて,いくつかの限界費用を描き,それらのもっとも低いところを集めたものを長期における限界費用であると説明しました.

 今回は前回駆け足で説明したところの確認が中心だったので,新しく学んだことは少ないですが,重要な部分なので(当然テストも出します),きっちり確認しましょう.

 来週からは消費者と企業,双方の行動を考えます.

2009年6月4日木曜日

経済学A 第8回

 今回は,前回に引き続き株の話でした.

【授業の内容】
 前回は株について考えるための理論的基礎を説明し,今回はやや実践的な内容でした.まず,前回の講義の最後で話した,「毎年1万円もらえる魔法のカード」をいくらで買うかを考えてもらいました.実はこれを考えてもらったのは株価の分析方法の1つであるファンダメンタル分析を理解するためです.ファンダメンタル分析とは,将来受け取れるであろう配当の現在価値の合計が株価であるという考えです.そのため将来受け取れる配当が多くなると予想されれば株価は高くなります(魔法のカードで言えば,毎年もらえる額が増えれば,このカードの購入希望価格も上がるでしょう).また配当の現在価値であるので,利子率が関係することもわかります.
 結論としては,このファンダメンタル分析が重視するのは,その企業の将来の配当,そしてそれを決めるであろう,将来の利潤,売上げ,今後の新商品,研究開発など多岐にわたります.このため,ファンダメンタル分析で株価を予想しようと思えば,その企業について詳しくなることが第一条件です.
 一方,テクニカル分析という分析方法もあります.こちらはファンダメンタル分析とは異なり企業業績は重視せず,その企業の株価の過去の推移であるチャート図から,将来の値動きを予測するというものです.過去を見れば将来がわかる,というとなんとなくそれらしいですが,特に理論的な裏付けはありません.むしろ「こういう動きをした後は,こうなることが多かった」という経験則の集合体と言うべき分析方法です.この分析法のメリットとしては,なんと言っても「わかりやすく,とっつきやすい」ということでしょう.デメリットとしては,「テクニカル分析に従えば儲けられるという実証結果が得られていない」という点です.分かりやすく言うと,テクニカル分析の言うとおりに売買するのも,サイコロの出た目で適当に売買するのも似たようなもんだ,ということです.致命的ですね….つまり将来の予測には使い物がならないということです.しかし「テクニカル分析で儲けた」という人は後を絶ちません.実際,「テクニカル分析 万円稼いだ」というキーワードで検索するとたくさんヒットします.それもそのはず,株というものは全体の株価の平均が下がっているのでなければ,適当に買っても半分ぐらいの人は儲かるからです.そのためテクニカル分析で儲かった一握りの人が「テクニカル分析は正しい」というのでしょう.

 さて,株というのはリスクのあるものですが,そのリスクを減らすこともできます.リスクヘッジの例として,猛暑になるか冷夏になるかという気象リスクを考えてみました.猛暑になったら,自分が持っているすべての株が下がってしまった,というのではリスク対処になりません.猛暑の時,ある株は下がったが,あの株は上がった,となるような組合せをする必要があります.最大のリスクヘッジは分散投資です.ケインズは「卵は分けて持て」と言いました.ただし,分散投資をするとリスクが減る代わりにリターンも下がります.

 後半は,資産運用について説明しました.株を買うかどうかは,あくまで「(目的達成のために)他の手段に比べて優れているか?」を考えなければなりません.株より良い手段があれば株を買う必要はありません.他の資産運用手段にはどのようなものがあるのでしょう.授業で説明したのは次の通りです.

  • 銀行預金:リスクは低いが,リターンもかなり低い
  • 債券(国債,地方債など):国債はリスクはかなり低く,リターンは低いが銀行よりはマシ.定期預金のようなもの.
  • 投資信託:リスクは中程度,リターンも中程度.プロが運用するのでやや安心?ローリスク・ローリターンを目指すものから,ミドルリスク・ミドルリターンを目指すものなど様々.
  • FX(外国為替証拠金取引):かなりハイリスク・ハイリターン.普通の人は手を出すべきじゃないと(僕は)思います.
  • その他:金,RIET,様々なファンド

 上記のような金融商品の説明をしました.この中から自分の目的に合ったものを選びましょう.ただし,どんなに探しても「ローリスク・ハイリターン」な商品はありません.あるとすれば詐欺か,インサイダー取引(犯罪)でしょう.美味い話はなかなかありませんし,あったとしても普通の人である我々には回ってきません.あまり知らない人から「あなただけに教えるけど…」と言われても信じてはいけません.美味い話があれば,誰かが既に独り占めしているはずです.