今回はゲーム理論のつづきです.利得表の見方には慣れましたか?
【授業の内容】
まず前回の復習として,利得表の見方,および「支配される戦略の逐次消去」という解法を紹介しました.また次のような専門用語の確認をしました.
プレイヤー:ゲームのプレイヤー(そのままか),経済主体
利得:ゲームの結果得られるポイントのこと.利得の最大化がゲームの目的です(しばらくは).
戦略:プレイヤーが持つ選択肢
続いて,しばらく行うゲームのルールを確認しました.
・1回限り
・同時手番
・完備情報(利得表の中身を全プレイヤーが知っており,また他のプレイヤーが知っていることも知っている)
・非協力(他のプレイヤーと相談することができない)
上記ルールのもと,「支配される戦略の逐次消去」のゲームをした後,この解法では解けないゲームを紹介しました.「支配される戦略の逐次消去」は万能ではなく,解けるゲームもあれば,解けないゲームもあります.しかし,次に紹介するナッシュ均衡という概念はより強力な武器となります.
ナッシュ均衡で答えを出すこと自体は非常に簡単なのですが,その含意はなかなか複雑です.簡単にいうと,相手の裏をかくことができない安定した状態とでも言えるかもしれません.厳密に言えば,あるプレイヤー(A)の戦略は他のプレイヤー(B)の戦略に対する最適反応であり,プレイヤーBの戦略はプレイヤーAの戦略に対する最適反応となっている状態です.定義を聞いてもよくわからないかもしれませんが,ホテリングゲームをすることで,なんとなくその意図するところが実感できたのではないでしょうか.
幸い,ホテリングゲームおよびナッシュ均衡が机上の空論ではないことを示すかのように,大学の近くには既存の回転寿司屋さんのすぐ隣に回転寿司のお店ができましたね.皆さんの直感では非合理的に思える立地かもしれませんが,ホテリングゲームのセッティングでは考えれば非常に合理的ですね.さてさて,このお店の経営陣はゲーム理論を知っていたのでしょうか?誰かバイトしたら社員さんに聞いてみてください.
次回は展開型ゲームをやります.
2010年9月22日水曜日
ミクロ経済学ベイシックⅡ 第2回(9/22)
投稿者
水ノ上 智邦
時刻:
18:42
ラベル: 2010, ミクロ経済学ベイシックⅡ
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿