今日はスルツキー分解でした.
【授業の内容】
スルツキー分解は教える側として非常に難問です.所得効果や代替効果は抽象的な概念なので,「こういう気持ちもあるだろ?」という説明に終始してしまいがちです.
まずギッフェン財の説明から始めました.途中の補足も踏まえてまとめると,ギッフェン財とは,所得効果が非常に強い下級財である.そのため,価格が下がったにも関わらず消費が減少し,価格が上がっても消費が増えてしまうという奇妙な財です.非常に限定された条件下ではギッフェン財も存在することがあります.まぁレアです.
さて,スルツキー分解とは,ある財の価格の変化による消費の変化を,代替効果と所得効果に分解するというものです.
代替効果とは相対価格の上がった財の購入が減り,相対価格が下がると購入が増えるというものです.価格ではなく相対価格という点に注意さえすればそれほど難しいものではないでしょう.
所得効果とは,実質所得が変化したときに消費にどのように影響を与えるかというもので,実質所得が増えた時,上級財の消費は増えますが,下級財の消費は減少します.ギッフェン財も下級財の仲間なので減少します.
言葉で説明すればこれだけですが,図の意味などを考えるとなかなか難しいものです.みなさん講義を受けたらなるべく早く(できれば今日中に),教科書の該当部分をもう一度読んでみて下さい.今度はかなり理解が進むと思います.よくわからないままほっとくと後で困ります.
【中間テストについて】
来週の授業中に行います.配点は低いので期末で挽回はできますが,試験を受けなかったら単位は放棄したものとみなします.
2008年5月16日金曜日
ミクロ経済学ベイシックⅠ 第5回
投稿者
水ノ上 智邦
時刻:
17:07
ラベル: 2008, ミクロ経済学ベイシックⅠ
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