今回は「大学進学は合理的か?」と題して,経済学の観点から大学入学を考察しました.
【授業の内容】
みなさんはなぜ大学に来たのでしょうか?「資格取得のため」,「学歴のため」,「目指す仕事に就きたいから」,それとも「親に言われて」,「みんなが行ってるから」?
経済学の観点から大学進学を考察するには,まず前提条件が必要となります.つまり「誰があなたの大学進学を決定するのか?」と「大学進学は投資か,それとも消費か?」という前提です.授業では,あなた自身が,投資として大学に進学を選んだものとして話を進めました.
みなさんの多くはこれまで親の庇護にいたため,あまり大きな決断に迫られることはなかったかもしれませんが,これからは,就職,結婚,年金,マンション購入などなど,人生の様々な段階で決断を迫られます.このような決断に直面すると,経済学では人間はそれぞれの選択肢のメリットとデメリットを比較して,合理的な選択をすると考えます.
というわけで,今回は大学進学と高卒として働くことのどちらが合理的かを考察しました.
みなさんは「大学進学」と「高卒として働くこと」という2つの選択肢のうち,すでに「大学進学」を選んでしまいました.さて,それぞれの選択肢にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょう?
手を挙げて発表してもらったところ,以下のようになりました.
大学に進む
メリット:高い給与,自由な時間
デメリット:学費+生活費
就職する
メリット:すぐに働ける
デメリット:低い給与,忙しい
上記は多くの人が考えうるメリット,デメリットですが,ここでは機会費用という概念を紹介しました.実は大学進学の費用は学費+生活費だけではありません.みなさんは就職してお金を得るという機会を放棄して大学に進学しているので,進学しなかったら稼げたであろうお金も費用とみなすこともできます.この機会費用を含めると,実際に大学に進学したコストは年間400万ぐらいでしょう.ずいぶん高いですね.みなさんは毎年このコストに見合うだけ,自分を成長させる必要があります.4年間(2年間)に支払ったコストを将来回収するのはなかなか大変なことです.
途中で,僕の個人的なお知らせをはさんで,ttp://mizunoue.blogspot.com/2008/04/blog-post_9848.html
後半は,前回学んだ「ダイヤモンドはなぜ高いのか?」を基に,「どういう企業で働くと給料が高いのか?」を考察しました.
給料というのは,見方を変えれば「学生が労働時間を売る時の値段」だと言えます.そのため,ダイヤモンドが高い理由を考えれば,どういう人の給料が高いかも自ずとわかりましたね.
また,儲からない市場(業界)の説明として,完全競争市場の条件を説明しました.みなさんは就職するなら完全競争市場は選ばないようにしましょう.
最後に学歴別男女別の生涯所得を紹介しました.大学進学には多くのコストがかかりますが,高卒と比べると,大卒は支払ったコストを十分取り返せるだけの高い所得を得ることができます.(ただし平均値ですけどね)
【今日のKey Word】
機会費用,メリットとデメリット,完全競争市場
2008年4月23日水曜日
経済学A 第2回
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