2011年1月23日日曜日

総合政策演習C 第14回(1/20)

 今回は前半に竹村先生からの就活のアドバイスや事務連絡をしていただいた後,まだ企業プレゼンしてない人にやってもらい,最後にエントリーシートの実践編を説明しました.

【授業の内容】
 竹村先生からのお話にありましたが,特に「学校側に連絡先を知らせておくこと」を徹底してください.今後,我々が皆さんの就活状況を確認し,有益な情報があった場合にはお知らせしていきますが,連絡先がわからなければ,まったくサポートできません.連絡先を必ず知らせておきましょう.
 また,大学だけに限らず,皆さんの保護者の方,あるいは親戚などから推薦や紹介をしてもらった場合,内定を蹴るのは非常に(推薦者,内定先の両者にとって)失礼なことです.「ここが大本命だ!」という所以外では安易に推薦してもらうべきではありません.

 エントリーシートについては,(なんども言いますが)「これが正しい」という答えはありません.仮にあったとしても,全員がそれをエントリーシートに書いてしまうと,それはありきたりのつまらない内容になってしまいます.そのため,あくまで僕が考える望ましいエントリーシートの基礎を説明しました.割と当たり前の話が多いと思います.

・「読みやすいか?わかりやすいか?」
 最初のうちはエントリーシートは,他の人にも読んでもらいましょう.自分では書きたいことがわかっているので,文章でうまく表現できていなくても,(無意識に)足りない部分を補足して読んでしまいます.「自分が言いたいこと」と「相手が受け取ること」が同じになるよう,最初の頃は何度でも書き直しましょう.
 また,当たり前ですが,なるべく丁寧に読みやすい字を心がけましょうね.

・「具体的な表現を」
 「私は非常に責任感があります」などという表現は主観的なものであり,説得力はありません.「責任感がある」と書くのではなく,「この学生は責任感があるんだな」と感じさせる具体的かつ客観的な事例を書きましょう.
 客観性と言えば数字です.なるべく数字を入れるとよいでしょうね.

・「相手のことを深く理解している(と感じさせられる)か?」
 そろそろ消費者目線を卒業しましょう.誰もが知っていることではなく,十分に企業研究をしたこと伝わる内容を入れ込みましょう.

・「その文章は本当に自分を表現しているのか?」
 薄いメッキはすぐにはげます.「なぜ自分はこの企業に入りたいのか?」,「なぜ自分の長所は◯◯なのか?」などなど,何度でも「なぜ~なのか?」と自分に問いかけましょう.とりあえずでエントリーシートを書いてしまうと面接の時に矛盾が浮かび上がります.

・将来性を伝えられるか?
 企業は新卒学生には何より「将来の成長」を期待しています.大学時代に「自分で考えた,計画した,実現した」ことを伝えたいですね.

【課題】
 月曜日までにエントリーシートを記入し水ノ上のポストへ提出してください.

 次週はHRも兼ねて行います.必ず出席するように.
 

総合政策演習BⅠ 第14回(1/19)

 久しぶり過ぎて何をやっていたのか忘れてしまいましたが,前回の課題からやりました.

【授業の内容】
 前回課題を出していたので,それの答え合わせと一緒に少し解説しました.また皆さんからコブ=ダグラス型生産関数の質問があったので,それに答えているうちに終りました.

 すでにひと通り終えているので,過去のやり残した所がないか確認しておきましょうね.

ミクロ経済学ベイシックⅡ 第14回(1/19)

 冬休み期間をはさんでミクロ貿易理論の続きです.前回の復習の後,貿易の余剰分析の説明をしました.

【授業の内容】
 前回は比較生産費説と貿易三角形について説明しました.しばらく間が空いたので,その復習に時間をかけました.

 さて貿易の余剰分析ですが,ここでは閉鎖経済(つまり鎖国中)で完全競争市場である国の余剰と,その国が開放経済,完全に自由な貿易を行う場合の余剰を比較しました.

 話の前提条件として,「小国の仮定」を置きました.これは,この国が(経済的に)小国であり,どれだけ輸入や輸出を増やそうと,世界市場には全く影響を及ぼさないということです.結果として,海外から一定の価格でいくらでも輸入することができます.現実の日本の場合,ある財(例えばレアアース)の国内需要が高まり,輸入量を大幅に増やしたい場合,レアアースの世界市場の価格が上昇することになります.なぜなら日本はレアアースの輸入においては大国であるからです.そのため,日本の動向が世界市場に影響を及ぼします.なぜ「小国の仮定」を置くのかと言うと,話が簡単になるからです.

 上記のような小国の仮定のもとで,ある財の国内価格が世界市場で決まる価格より安い場合,その財を輸入します.その輸入量は,消費者が購入する量(需要量)から国内の企業が生産する量(供給量)を差し引いたものになります.
 余剰については,自由貿易をすることで消費者余剰は増え,生産者余剰は下がります.このことから最近話題のTPPが日本の農家の余剰を下げることが想像できますね.

 最後に自由貿易と閉鎖経済の中間として関税の説明をしたのですが,時間が足りず中途半端でしたね.次週は再度,関税について説明します.

2011年1月22日土曜日

経済学A 第14回(1/11)

 随分更新が遅れましたが,今年最初の授業でした.そろそろこの講義も終わるので,今まであまり触れなかった金融についての説明をしました.

【授業の内容】
 これまでも経済の仕組みを説明してきましたが,今回はお金の流れから改めて見てみました.

 まずそもそも「お金(貨幣)」とは何なのでしょう?「お札やコインがお金に決まってるじゃないか」と思うかもしれませんが,それらは金融の世界では貨幣のごく一部であり,それ以外の貨幣の方が量的に多いようです.例えば,銀行への預金もお金です.当たり前に聞こえるかもしれませんが,Aさんが銀行に100万円を預金するとAさんの預金が100万円増えます.さらに銀行が受け取った預金の100万円を企業に融資すれば,Aさんの預金100万円の他に企業に現金100万円が存在することになり,貨幣は200万円になりました(これを信用創造と呼びます).このように現金以外にも様々な種類の貨幣が存在します.
 さて,お札はどこから来るのでしょう?中央銀行(日本銀行)が発行したお札は普通の銀行(市中銀行)を通じて市場に流通します.中央銀行は市場に流通する貨幣の量をコントロールすることで,物価や景気を安定させます.これを金融政策と呼びます(⇔財政政策).
 なぜ貨幣供給量を増減させることで物価や景気に影響があるのでしょう.まず物価ですが,世の中に流通している貨幣の量が急激に増加したら物の値段はどうなるでしょう?1万円がありふれた存在になってしまうと,お札の価値は小さくなるでしょうね.つまり今までは1万円で買えたものも3万円出さないと買えなくなるかもしれません.これは物価の高騰(インフレ)ですね.このように貨幣供給量が増えると物価は上がります.
 また景気への効果ですが,貨幣供給量の増加はお金がありふれた存在になるということです.誰もがたくさんお金を持っているなら,お金を借りるのも簡単でしょう.そのためお金のレンタル代である利子率は下がるはずです.利子率が下がれば企業はお金を借りやすくなるので,銀行からお金を借りて様々な事業に投資をすることでしょう.企業が投資をすると需要が増加するので景気は回復しますね.

 金融政策は3種類あります.公定歩合(正式には基準割引率および基準貸付利率)の操作,公開市場操作,預金準備率の操作の3つです.それぞれの効果を確認しておきましょう.