2007年7月26日木曜日

開発経済学 レポート再提出について

 開発経済学の評価が終わりました.「厳しくしてやろう」とは思っていたのですが,結局わりと甘くなってしまいました・・・.指定した通りちゃんとレポート3回以上提出していれば多くの人は単位を取れたはずです.
 単位を落とした学生のうち,レポートを3回以上提出した人のみ再提出を認めます

【レポート再提出について】
分量:A4用紙3枚以上
提出期限:9/1(土)17:00
提出先:23号館1Fのポスト

 課題は以下の2つのうち1つを選ぶ.
・(特定の)貧困国の成長を妨げる要因について
・我々は世界の貧困のために何ができるか

 どちらも過去に出した課題です.以前に提出した時のコメントを参考にして,必ず問題点を修正して提出して下さい.レポートを返してもらっていない学生は早めに受け取りに来ること.

経済学A 採点結果

 採点が終わり,昨日成績も提出しました.問題が難しかったためか平均点が低かったので,出席などを考慮して加点をしました.テストのみの結果は以下の通り.

満点:100点
平均点:46.6点
最高点:87点

 平均点は低いですが,最高点は特別低くもないですね.発表や出席などを加点して成績を算出しました.成績が60点以下(不合格)になったのは試験を受けた学生のうち13.5%です.不合格だった人はレポートを提出して下さい.レポートの要領については各学部(学科?)事務室から連絡があるはずです.不明な点があれば,このブログを通じて,あるいは直接僕に質問して下さい.

2007年7月20日金曜日

経済学Ⅱ 採点結果

 採点が終わりました.僕の予想よりも良かったです.みんなあんまり聴いてないフリして,実はちゃんと聴いているのでしょうか・・・?結果は以下の通り.

満点:100点
平均点:58.7点
最高点:91点

 これは素点に過ぎないので,発表点などを加えたものが成績になります.そのため,再テストは結構少ないはずです.再テストになった人は,本試験の内容をきちんと理解しておきましょう.

2007年7月19日木曜日

経済学Aテストについて

 先日行った経済学Aの期末試験の模範解答をHP上に掲載しました.
 まだ採点は終わっていないので,平均点も正確なところはわかりませんが,あんまり良くないですね.僕が「簡単だから大丈夫」と言ってしまったからでしょうか…?大部分の学生は真剣に授業を聴いていたので大丈夫だと思ったんですが,みんなが思っているよりも難しかったようですね.(平均点などは採点終了後に掲載します)
 しかし,(まぁ一般教養だし)みんなが真剣に勉強したのもわかってますし,ちゃんと大部分の人はちゃんと単位が取れるのでご安心を.ただ白紙に近い人は休み明けに再試験を受けましょう.

 個別の問題に関して言うと,黒板の選択肢から選んでもらう問題の正解率がずいぶん悪いですね.経済に関心を持ってくれているかのリトマス試験紙になると思ったんですが….

 最後に,コメントを書いてくれた人ありがとう.大切に読んでいます.今後の授業に活かしたいと思っています.それでは引き続き充実した学生生活を送って下さい.

2007年7月15日日曜日

ミクロ経済学ベイシックⅠ 採点結果

 期末テストの採点が終わりました.結果は以下の通りです.

満点  :80点
平均点:41.2点
最高点:65点

 せっかく試験期間外にテストをしたのだから,もう少し準備して欲しかったなぁ,と思います.せめて中間テストの類似問題は完璧にできて欲しい.その点については僕の教え方以前の問題だと思いますよ.
 コメントしてくれた人,どうもありがとう.参考にさせてもらって後期の授業で反映させたいと思います.
 このテストで50点以上取れた人は,このまま後期,そして来年の演習と学習を続ければ,公務員試験(県庁など)の専門試験にも十分対応できると思います.(あくまで努力すれば…ですが)

2007年7月13日金曜日

ミクロ経済学ベイシックⅠ 期末テストの結果について

【お知らせ】
・本日の期末テストの模範解答をHP上に掲載します.HPの「ファイルDL」から見て下さい.
・評価に不満がある人は,成績発表後1週間以内に僕の研究室まで来て下さい.それ以後はテスト用紙を廃棄する場合もあります.
・再試験はありますが,問題は同じものではありません.テキストなどできちんと勉強してから受けしましょう.

ミクロ経済学ベイシックⅠ 第13回

 第13回は補講という形での自由参加にしました.試験期間外にテストを行うために,授業時間が1時間減るための補講です.自由参加になったのは,時間帯がいつもと違うために出席できない学生もいる可能性があるからです.できればもっと出席して欲しかったのですが.

【授業の内容】
 内容と行っても皆さんから質問を受け付けただけです.新しい内容を説明したわけではありません.1時間半のつもりが結局2時間になってしまいました.

開発経済学 第13回

 今回で最後なので,開発経済学を学んだ人の中には「途上国開発を仕事にしたい」,あるいは「もっと深く関わりたい」と思った人もいるのではないでしょうか?(いてくれれば有り難いのですが…)というわけで,最終回は仕事としての途上国開発について紹介しました.

【授業の内容】
 途上国開発についての専門的な知識や実務経験がない学生が就職するには,JICAが理想的かもしれません.しかし,JICAのHPにある内定者座談会のページを見ればわかりますが,内定者の多くは途上国でボランティアなどの経験がある学生のようです.もし本気でJICAなどを狙うのであれば,今年の夏に実際に自分で動くことが不可欠でしょうね.
 NGOに務めたいという人もいるかもしれませんが,多くのNGOは正規の職員としては経験者を求めているようです.新卒でいきなり正規の職員というのはなかなか難しそうです.長期インターンやアルバイトなら未経験者でも募集していることが多いです.
 まぁ,詳しい内容は配付した資料に書いてあります.3年生はこの冬には就職シーズンが到来します!将来に向けて,この夏にどれだけ皆さんが伸びることができるのか楽しみにしています.くれぐれも「遊んでたら夏休みが終わってた」ということの無いように.

基礎総合演習A 第13回

 基礎総合演習Aもこれで終わりです。今回は各チーム毎に,これまでの演習で学んだこととバーチャル取引での運用結果について発表してもらいました.

【授業の内容】
 3チーム中2チームが黒字というなかなかの結果でしたね.「元手の100万円を維持する」というのが1つの目標でしたが,なかなか難しいとみんな感じたのではないでしょうか?
 運用成績もそうですが,各チームの発表も4月の時点から比べるとかなり良くなりましたね.少なくともきちんと自分の意見を言えるようになったというだけでも,この時点としては合格点ではないでしょうか.

 さあ,仕上げは球技大会ですが,上手く行くと良いですね.僕も参加したいと思っています.

2007年7月10日火曜日

経済学A 第14回

 今日で経済学Aは終了です.大人数の授業で,かつ出席もあまり取らなかったのに,ほとんどの学生は真剣に授業を聴いていたので,僕としても教えていて楽しかったです.

【授業の内容】
 最終回ですが,社会保険庁から3人の方にお越しいただき,年金についての講義をしていただきました.主に講義して頂いた方は元中学校の校長先生だそうです.やはりベテランですね.緩急のついたわかりやすい講義でしたね.僕も勉強になります.
 さて内容ですが,国民基礎年金には,老齢年金,障害年金,遺族基礎年金の3種類があることがわかりました.年金というと老齢年金ばかりをイメージしますが,障害年金は特にスポーツや交通事故などで学生が障害を負う可能性は低くないので,考慮すべき問題ですね.社会保険庁の方からは具体的なエピソードが聞けました.ああ言う話は,人生経験の浅い僕にはなかなかできないんですよねぇ.学生時代はお金がないから払わない,ではなく,学生納付特例制度を使うべきですね.支払うかどうかは後で決めても良いので,とりあえず学生時代は制度を利用しておきましょう(払うお金がある人は払って良いのですが).
 次に,加入する年金ですが,国民基礎年金は義務的だから当然として,それ以外の2階部分として共済年金厚生年金がありました.この辺の仕組みはややこしいですね.みなさんは働いていないので,学生時代に支払うのは国民基礎年金のみです.
 今日の話でも分かったと思いますが,年金問題は皆さんにとってもかなり身近な話です.僕個人としてはもう少し付け加えたい話もあります.みなさんももっと知りたい部分があるのではないでしょうか.自分の将来に関係あることですので,今日の内容を基礎にして,もう少し調べてみて下さい.

 それでは短い期間でしたが,よく勉強してくれました.テストも楽しみにしています.また学校で会ったら声をかけて下さい.

2007年7月9日月曜日

経済政策論 第14回

 今日で最終講義です.みんなの前での発表か,レポートの提出の選択制でした.レポートの人は25日までに提出するように.発表の人はお疲れさまでした.どちらもテーマを絞って授業の時より深く考察しており,なかなか良い発表でしたよ.

【レポート】
 25日までに僕の研究室か,ポストに入れておいて下さい.期限厳守です!

経済学Ⅱ 第14回

 今日はこれまでの復習でした.これまでやったテーマの中から,学生の希望が多いものから順番に解説していきました.
 テストはもうすぐですね.テストさえ終われば夏休みが待ってるのでがんばりましょう.とはいえ,就活もありますね・・・.

【テストについて】
 ポータルサイトでも伝えていますが,持ち込みはA4用紙1枚のみです.経済学Ⅰと同様に自筆のみで,コピーは不可です.

2007年7月7日土曜日

ミクロ経済学ベイシックⅠ 第12回

 今回で前期の内容は一通り終わりです.これまでのまとめとして一般均衡について説明しました.テキストではpp.208-215にあたるところが中心です.

【授業の内容】
 まず本題であるエッジワース・ボックスです.ちなみに授業中はぼやかしてしまいましたが,やっぱり考えたのはエッジワースという経済学者でした.そのエッジワース・ボックスですが,2人の消費者の無差別曲線(2財)を組み合わせたものです.両者の間でいかにして効率的に財を分配するか,その目安としてパレート最適を説明しました.
 パレート最適を説明する前に,まずパレート改善を知る必要があります.パレート改善とは,「他の人の効用を下げることなく,ある人が効用を上げる」ような変化のことです.例えば,僕にとって必要のない服を友人にあげたら友人が喜んだとすると,僕の効用には変化ありませんが友人の効用は上がったので,明らかにパレート改善であると言えます.というわけで,いらない服をどんどん友人にあげれば(さらに友人がそれを喜んでくれるならば),僕と友人との間でパレート改善が繰り返されますが,いらない服を全てあげてしまうと,それ以上パレート改善できません.さらに友人が効用を上げるためには,僕が必要だと思っている服を譲らねばなりません.友人は嬉しいかも知れませんが,僕は必要な服がなくなるので効用が下がってしまします.このように「他者の効用を下げなければ,ある人の効用を上げられない状況」をパレート最適と呼びます.パレート最適となるような財の配分方法はたくさんありますが,そのうちどれがもっとも望ましいか,については判断しないことにします.ちなみにエッジワース・ボックス上のパレート最適となる点を集めたもの(曲線)は,契約曲線と呼ばれます.

 さて,ではこのエッジワース・ボックス上で2財の価格が与えられると,価格によってそれぞれの財に需要超過,供給超過が発生します.それらは以前に学んだワルラス型価格調整メカニズムによると,価格の変化を引き起こします.さらに財価格の変化は消費者側には需要量の変化という形で影響を与えますし,生産者側には生産量の変化という形で影響を与えます.財価格の変化が消費者理論,生産者理論でどのような影響を与えるかについては具体的に確認しておきましょう.

【補講について】
 テストは試験期間中ではなく,来週(7/13)なので授業が1回少なくなります.そのため,来週水曜日の5限を補講にあてます.補講は501教室を予定しています.補講では質問を受け付けますので,それまでにちゃんと復習しておきましょう.

2007年7月5日木曜日

開発経済学 第12回


 今日は外務省国際協力局の佐藤さんにお越しいただき,「南アジアの貧困撲滅に対して日本はどのような役割を果たしているか.また,我々個人には何ができるのか」という題目で講演をしていただきました.

 みんな普段は眠そうにしてる(というか寝てる)のに,今日はみんな真剣に聴いていましたね.うるさい学生とかいたら追い出そうと思っていたのですが,まったくの杞憂でした.みんなやるときはやるんですね.積極的に質問もしていたし,ちゃんと挨拶できてるし,さすが3,4年生ですね.

 さて,講演の中身は論題の通りです.やはり現場で政策立案に携わっていた人だけに言葉にも重みが感じられますね.

ちなみに今日の講演内で見た「ODA民間モニター」の映像ですが,こちらからも見ることができます.ちなみに僕も一部出演してますが,探さないで下さい.

国際協力プラザ
http://www.apic.or.jp/plaza/tv/

【課題】
 今日の感想はA4用紙1枚以上にまとめて,E-mailで僕に送って下さい.期限は7月12日の17:00まで.期限厳守!
 ちなみに第4回レポート(課題図書)ですが,一部には「図書館の本が借りられていて読めない!」などの声があるようです.場合によっては提出期限の延長も考えているので,意見があれば書き込んで下さい.

2007年7月3日火曜日

基礎総合演習A 第12回

 今回は前回のレポートを返却し,レポートのルールを説明し,1人1人個別にレポートの問題点と改善策について話しました.

【授業の内容】
 今日は,内容と言ってもあんまりないですねぇ・・・.まあみんなが自身で考え,動くことができるようになったのが収穫と言えますね.たくさん失敗もするかもしれませんが,それも勉強です.失敗を経験すること,そしてそこから学ぶことが,今のみんなにとって何より大切なことです.どんどん失敗しましょう(冗談ではありません).

経済学A 第13回

 今回は開発経済学でした.僕の専門でもあります.専門だけに言いたいことが山ほどあるので(話せと言われれば丸1日ぐらいなら話せると思います),どれを話そうかと悩みました.

【授業の内容】
 まず,皆さんが普段あまり知ることのないであろう途上国の現状について,データを使って説明しました.いくつか質問をしましたが,現実は皆さんが考えるよりも深刻であったのではないでしょうか.日本のフリーターも所得だけでみると,世界の中でかなり裕福であることがわかりました.
 次に貧しい国はなぜ貧しいままなのか,考え得る原因を列挙しました.病気,人口増加率の高さ,経済政策,教育,不平等などいくつも指摘できますが,1つの説得力ある答えとして,「貧しいが故に貧しい」という貧困の悪循環(ヌルクセ)を説明しました.貧困というのは結果であるとともに,将来貧しい原因にもなるのです.だれかがこの悪循環の鎖を断ち切らなければなりません.かつては,トリクルダウン仮説,つまり一部の人であっても豊かになれば,しずくが滴るように貧困層にも恩恵があるはずだ,という仮説が信じられていましたが,DrezeとSenの実証的な研究により仮説が誤りであり,成長は貧困削減の必要条件であるが十分条件ではないことが指摘されました.

 さて,途上国の暗い面ばかり紹介しましたが,貧困を撲滅するため先進国は協力して途上国に援助を行っています.その一例としてミレニアム開発目標(MDGs)を挙げましたが,2006年現在,日本はそこでの目標(国民総所得の0.7%をODAとして拠出)には届いていません(やっぱり暗いですね…).しかし,ODAに代表される二国間援助だけでなく,国際機関(国連,世界銀行など)や多くのNGOが貧困問題に真正面から取り組んでいます.貧困削減に取り組む民間の例として,昨年度のノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌスとグラミン銀行を紹介しました.また今年(一部で)話題となっているニコラス・ネグロポンテによるOLPCプロジェクト(One Laptop per Child,こども1人に1台のノートパソコン)も紹介しました.きっと皆さんにも途上国の人々のためにできることが何かあるのではないでしょうか?この講義により皆さんが少しでも途上国に関心を持ち,行動してくれれば僕にとっては非常にありがたいことだし,そうなれば授業は大成功だと言えます.

経済政策論 第13回

 今回は日本でも発売され始めたバイオ燃料(と地球温暖化)について,でした.

【授業の内容】
 まず,バイオ燃料に対する国の対策について発表してもらいました.1997年の京都議定書で,バイオ燃料の利用拡大が義務づけられており,2006年3月には「バイオマス日本総合戦略」が策定されています.どうやら日本としては本腰を入れてバイオ燃料の実用化を考えているようですね.
 そもそもバイオ燃料の材料は何か?ということですが,トウモロコシやその茎,サトウキビ,小麦,大麦,ひまわり,大豆,木材,雑草,米などたくさん出てきました.つまり植物ならなんでも良いのかもしれません.とすると当然,「雑草を使えば良いのでは?」と言う意見が出てくるでしょうね.

 さて,では「なぜバイオ燃料が環境によいのか?」学生に聞いたところ「カーボン・ニュートラル」であるから,ということでした.化石燃料は二酸化炭素を排出するだけなのに対して,バイオ燃料はその材料である植物が二酸化炭素を吸収し,その後燃焼され二酸化炭素を同じだけ排出するので環境負荷がないということでしたが,実際には燃料の製造過程で二酸化炭素が発生するために,環境負荷がない,とは言えないようでしたね.化石燃料との比較でどちらが環境に優しいかについては,今後の技術開発によるので,現在の時点で答えをだすのは早計かも知れません.
 しかし,自動車業界はこの新しい燃料の利用に対して積極的です.三菱,トヨタ,ホンダはすでにブラジルでバイオエタノールのみで走る車を発売しており,マツダも欧州でバイオディーゼル対応車を発売しているそうです.またホンダは雑草からバイオ燃料を生成する技術も開発するなど,どの企業も研究開発に余念がないんですね.

 結論として,「このバイオ燃料は果たして必要なのか?」を聞いてみると,学生の意見は綺麗に分かれました.いずれにせよバイオ燃料には現在の時点では環境問題を解決できるとは言えないが,将来性がないわけではない,という所のようですね.

経済学Ⅱ 第13回

 今回は独占市場について学びました.授業の内容には,前回学んだゲーム理論が反映されています.

【授業の内容】
 まず独占市場を説明する前に,これまで前提条件としながらあまり説明しなかった完全競争市場についてきっちりとした定義づけを行いました.また完全競争市場の条件を満たすと(つまり競争が熾烈な市場であると),企業の儲けがでないことを説明しました.では完全競争市場ではない場合なら利益が出るかも?ということで,完全競争市場ではない場合も対比しながら説明しました.完全競争市場にはいくつかの条件がありましたが,今回主に説明したのは,「売り手と買い手が多数いる」という条件が崩れた場合,中でも「売り手が少数の場合」である独占についてです.
 完全独占の場合,売り手は価格を自由に決定できます.そのため企業の利潤が最大になるように好きな価格設定を行いますが,競争的な市場であればそうはいきません.ある企業が財を,限界費用をはるかに上回る価格で売れば,ライバル企業はそれより少し低い価格で売ることでお客を独り占めできます.客を奪われた企業は対抗措置として価格を下げ始めるでしょうし,結果的に価格と限界費用がほぼ等しく,つまり利潤がほとんど出ないでしょう.
 このような独占市場の場合,価格がつり上げられるだけでなく,生産量も減少します.以前に学んだ余剰分析で考えると,独占が明らかに社会的余剰を減少させていることがわかります.
 さて,このような独占はなぜ生まれるのでしょうか?授業では大きく3つに分けて説明しました.
・資源独占
・政府による独占
・自然独占
 資源独占と自然独占は紛らわしいので要注意.名前が似てるからね.資源独占と自然独占はそうなってしまうから仕方ないにしても,特許や著作権という形で政府が独占を認めるのは,社会的余剰から見ると良くないことのように見えますが,実際にはそれなりに意義のあるんでしたよね.

 とはいえ,個人的には著作権,特許による保護期間はもっと短くすべきであると思います.なぜなら,子はともかく孫の生活まで見ることが創作意欲を増すとは思えないからです.