2008年1月29日火曜日

経済学Ⅰ 期末テスト採点結果

 期末テストの採点が終わりました.以下に結果を簡単にまとめます.

経済学Ⅰ期末テスト(70点満点)
平均点:38.05点
最高点:60点
最低点:12点

 持ち込みありだったのでもう少し平均点は上がると思ったんですが….いずれにせよ,中間テストと期末テストの合計(100点満点)に発表や出席を加えて評価を計算しました.

 再テストの人も少なからずいます.再テストの問題は本試験と同じではないので変な勉強をしないようにしましょう.

【お知らせ】開発経済学関連のDVD

 開発経済学に関連した以下の映画のDVDを図書館に注文しました.おそらく近日中に図書館1FのDVDコーナーに並ぶと思います.関心のある人は観て下さい.

「ホテル・ルワンダ」
 1994年にアフリカのルワンダで起きた,民族紛争をきっかけとするジェノサイド(大量虐殺)について.関連図書として,フィリップ=ゴーレイヴィッチ著「ジェノサイドの丘」WAVE出版も図書館にあります.

「ブラッド・ダイヤモンド」
 こちらもアフリカのシエラレオネを舞台としたダイヤモンドを巡る争い.

「大地のうた」
 インドの農村部に生きる少年を通じてインドの貧困を描いた作品,のようなのですが,実はまだ観ていません….

 試験が終わったら,開発経済学,あるいは世界の貧困問題に関心がある人はぜひ観て下さい.

2008年1月24日木曜日

ミクロ経済学ベイシックⅡ 第15回

 今日は試験日変更についてのアンケート,及び学生からの質問を受け付けました.

 試験の時間割によれば,学生によってはミクロを含め1日に5つもテストがあるというひどいことになっていたので,試験日を下記のように変更しました.また授業中は同じ教室と言いましたが,教室も変更になったので注意して下さい

日時:2月1日金曜日2限
場所:23303教室

【授業の内容】
 質問はありませんでした….

2008年1月23日水曜日

経済数学入門 第15回

 今日は行列を説明しました.僕は高校時代,「行列ってどんな意味があるんだろう?なんでこんな計算方法なんだろう?」というのがわからないまま,とりあえず勉強していたので非常にフラストレーションがたまったのを覚えています.
 その後,なんとなくではありますが,人に説明できるまで理解が進みました.今日の説明を聞いてみんなが納得してくれていたら良いのですが,どうでしょう?

【授業の内容】
 高校時代に行列を習っていない人がずいぶんいるようですね.思った以上に多くてビックリしました.
 行列で最初につまずくのは行列のかけ算だと思います.この行列とあの行列をかけると何×何の行列が出るのか,この行とどれをかけ合わせるのか,などがややこしいですね.
 行列の足し算,引き算,かけ算をした後,逆行列の説明したのですが,それまでに時間を取られすぎていたためか,やや駆け足になってしまったので,連立方程式の解き方がわからないと言われてしまいました.自分でもちょっと速いなあと思っています.反省点です.
 わからない人はいつでも研究室に聞きに来て下さい.

 ちなみに来週の月曜日は試験期間中のため,僕は全学共通教育センターにはいません.たぶん研究室にいます.

総合政策演習B1② 第15回

 今回でこの演習も終わりです.今日はエッジワース・ボックスと外部性についての問題を解説しました.

【授業の内容】
 エッジワース・ボックスを用いたパレート改善,パレート最適の説明はミクロ経済学ベイシックⅠでも行いました.しかし「初期賦存量から相対価格のもとで取引すると…」という話はしていませんでしたね.また相対価格の変化による消費量の変化を示したオファーカーブも説明していなかったので例題を用いて説明しました.

 後半は外部性についての説明です.外部性はベイシックⅡでだいたい説明しているはずです.ただし計算問題はやっていませんでしたね.

 エッジワース・ボックスと外部性もそうですし,他のテーマも同様ですが,公務員試験にでるミクロの問題のパターンというのはたかがしれています.最初が大変ですが,それを乗り越えれば後は楽です.そろそろ公務員試験への準備も本腰を入れなければいけない時期です.この春休みは実りあるものにしてください.

2008年1月22日火曜日

基礎総合演習B 第16回

 今日でこの演習も最後です.しかし内容はいつも通りでした.

【授業の内容】
 前回発表できなかった2人に発表してもらいました.環境関連銘柄についてのファンドと,インド株のファンドでした.どちらも最近流行のファンドですね.なかなかよく調べてある発表でしたが,欲を言えば証券会社の甘い言葉の裏を調べて欲しいところです.証券会社側が言いたくないところ(消極的に隠しているところ)に気づかなかったら,(証券会社にとっての)都合の良いお客さんになってしまう恐れがあります.

 今日で最後ですが,僕としてはこの演習を通じてみんなに次のことを身につけてもらうことを目的にしていました.本当に身につけようと思うと半年では短かいでしょうが,それでも半年前と比べると,みんなずいぶんしっかりしてきましたよ.
・自分の頭で考える(本やネットの情報を鵜呑みにしない)
・自分の意見を人の前で発表する

 野村のバーチャル株式投資倶楽部については,日経平均があれだけ下がったことを考慮すれば善戦した方でしょう.資産運用は将来みんな必要となる知識でしょうから,これに懲りずに関心を持ち続けて下さい.

 打ち上げは結局試験最終日になったんですよね?違ったらまた教えて下さい.

経済学A 第16回

 今日で最後の講義として開発経済学を取りあげました.理由は僕の専門でもあり,一番思い入れのある分野だからです.これまでの講義はなるべく学生の生活に役に立つ,あるいは社会常識として知っておくべきことを優先して内容を決めていましたが,開発経済学は別に社会常識ではありませんし,知ってたら金持ちになれるわけでもありません.

【授業の内容】
 今日の講義の目的は,これまで(おそらく)ずっと日本で育ってきて,日本の生活が当たり前だと思っている皆さんに世界の中でも貧しい国々の現状を理解してもらうことです.
 というわけで,まずはデータを用いて途上国の現状を説明しました.途上国の所得,不平等,貧困の様子,平均寿命,識字率などを紹介しました.途上国のニュースはあまり日本では取りあげられないので,意外に思うデータもあったのではないでしょうか.

 次に理論的な話として,「貧しい国はなぜ貧しいままなのか?」,「貧困の悪循環」,「Take off論」,「Trickle down仮説」などを説明しました.理論と言っても数式を使ったわけでもないし,比較的理解しやすい内容だったと思います.

 最後に貧困問題に取り組む機関・団体を分類し,そのうちいくつかを紹介しました.グラミン銀行はノーベル平和賞を取ったし聞いたことがあった人もいたのではないでしょうか?

 更なる学習として,参考文献やサイトなどを紹介しましたが,そのうちいくつかはこちらから見ることができます.
http://wmt.bunri-u.ac.jp/mizunoue/link.html

2008年1月21日月曜日

経済学Ⅰ 第14回

 今日で経済学Ⅰは最後の講義です.前半はIS・LM分析の続きを説明し,後半は中間試験の再テストを行いました.

【授業の内容】
 IS・LM分析はこれまでの総まとめの内容になっているので,財政政策と金融政策をしっかりと理解していないと,本質的な理解にはつながりません.
 前回のつづきとは言っても冬休みもあり,1ヶ月ぐらい空いていたのでIS曲線,LM曲線についての簡単な復習もしました.IS曲線は「財市場が均衡するような利子率とGDPの組合せ」でしたし,LM曲線は「金融市場が均衡するような利子率とGDPの組合せ」でした.それぞれどちらに行くと超過需要,超過供給になるのかも確認しましたね.
 最後に,その2つの曲線を組合せることで,財市場と金融市場がどちらも均衡するような利子率とGDPが定まりました.

 とりあえずマクロ経済学についてはこれでお終いです.銀行など金融系の企業を狙っている人は経済学,特にこのマクロ経済学について勉強しておくと良いですよ.マクロ経済の基礎知識があれば,就職してからの勉強もしやすいはずです.

中間試験の再テスト
 採点が終わりました.中間試験で30点中15点以下の人が受けたわけですが,ほとんどの人は前回より点数が良くなっていました.しかし2名の人は前回と同じ点数でした.非常にガッカリです….
 この再テストで16点以上を取った人は中間テストの点数を16点に修正します.

期末試験について
 今日の授業中に,皆さんの多数決により試験の持ち込みは以下のように決まりました.しっかり準備しましょう.
持ち込み可能なもの:自筆のA4用紙(裏面可)を1枚のみ.A4用紙のサイズより小さければルーズリーフでもなんでも構いません.

2008年1月17日木曜日

ミクロ経済学ベイシックⅡ 第14回

 今日は貿易理論でした.期末試験の範囲は今日の講義までです.来週は質問を受け付けます.質問がなければ中間テストの解説をする予定です.

【授業の内容】
 1年次にすでに習ったそうですので,簡単に比較生産費説を説明しました.絶対優位と比較優位の違いはわかりましたか?貿易の優れた点は比較優位さえあればパレート改善が可能となることです.絶対優位がないということはありえるでしょうが,比較優位がまったくないという国は存在しないでしょうからね.
 次に,比較生産費説の内容を,図を使って(貿易三角形)説明しました.この図は前期の内容(価格の変化による予算線の傾きの変化)と似ていますね.実際,国内(相対)価格から国際(相対)価格へと価格が変化しているため,国の予算線の傾きが変わっています.

 最後に貿易を余剰の点から分析しました.閉鎖経済(鎖国の場合),開放経済(自由貿易の場合),さらに関税を課した場合,という3つのシチュエーションでどのように社会的余剰が変化するのか図を用いて説明しました.閉鎖経済より開放経済が良いことは先ほどの例でも明らかですが,関税をかけると税収は入るが社会全体にとって見れば望ましいことではないことも明らかになりました.
 これまでの講義でわかったことは,一貫して,完全競争市場の条件が満たされる場合には自由放任がもっとも社会的に望ましく,政府などが下手に介入すると余剰が減少するようです.

 ミクロ経済学のテスト問題が解けたからといって社会に出て役立つとは思いませんが,ミクロ経済学の講義を通じて得られた一般的な法則性などは様々な状況下で応用可能なものだと思います.厳しく難しい講義だったと思いますが,それに最後まで熱心に取り組んだ人は,それなりに得るものがあったと思いますし,そうであって欲しいなぁと思います.

2008年1月16日水曜日

経済数学入門 第14回

 今日は数列,中でも等差数列と等比数列をやりました.講義でも言いましたが,等比数列は金融を学びたいなら必須といって良いでしょう.

【授業の内容】
 まずは等差数列の一般項の出し方を説明しました.初項と公差さえわかれば簡単ですね.次に等差数列の和についても説明しました.公式ではなく,導出方法をしっかり理解することが大切です.なぜなら公式は忘れますからね.

 次に等比数列の一般項の出し方を説明しました.こちらも考え方は等差数列の場合と似てますね.具体的な例から一般的な法則を導き出すのは,数学だけでなく,社会科学全般でも重要です.さらにこちらでも和を出しました.少々ややこしいかな?こちらも導出方法をキッチリと理解しましょう.

お知らせ1
 テストが近づいたので,HP上において,これまでの課題の答えをまとめて掲載します.ただ準備に時間がかかるので,なんとか今週中にはやります….

お知らせ2
 呼出がかかっているのにまだ来ていない学生はどうするつもりですか?

総合政策演習B1② 第14回

 今日は余剰分析の例をいくつかやりました.余剰分析はいろんな出題形式があるからややこしいように思うかもしれませんが,「この時はこうなる」っていうパターンが決まっている問題が多いので慣れれば一瞬で解けたりします.

【授業の内容】
 余剰分析はミクロの講義でもいくつか扱いましたが,今日の内容では貿易の所はやっていませんでしたね.小国のモデル(仮定)というのはしばしば出てくるので覚えておくべきです.
 また二部料金は弾力性の所では説明しましたが,余剰分析は行いませんでした.

 後半は税の種類の説明と,その中から従量税の問題を解きました.出題する側としては,従量税は問題をちょっと難しくしたいときに非常に便利なので(従価税は綺麗な答えが出るように数値を選ぶのが面倒)よく出題します.

【課題】
 来週はパレート最適と外部性をやりますので,プリントに一通り目を通しておきましょう.

2008年1月15日火曜日

基礎総合演習B 第15回

 今日はオススメの投信についてのプレゼンでしたが,準備があまりできていない人もいましたねぇ.もうちょっとキッチリとやりましょう.
 またお互いの意思疎通ができていないところもありましたね.

 今日はかなり脱線もありましたが,みんな積極的に発言していたので,まぁこれはこれで意味があるだろう,と思っています.

 パプアニューギニアの件について,興味がある人はまた相談しましょう.

経済学A 第15回

 今日は以前のアンケートで学生から要望のあった経済史について講義しました.ただし,僕にとって経済学の中でも経済史はもっとも縁遠い分野なので,準備には手こずりました….

【授業の内容】
 レジュメのサブタイトルは「人類の爆発的増殖と豊かさ」にしました.経済史といってもその範囲は広いので,経済史の中でも人口と豊かさに焦点を絞りました.爆発的増殖というとネズミやバイ菌みたいですが,我々人類の増加率は爆発的増殖といっても過言ではないでしょう.配布した資料には超長期に渡る人口の推移のグラフがありましたが,1500年以降の人口はまさに爆発的に増加しています.
 また世界全体の1人あたりGDPの超長期的推移をみると19Cあたりを境として,こちらも爆発的に増加しています.ここでは何が起きたのでしょうか?

 日本で言うと縄文時代や弥生時代は取り立てて変化もないので,時代を進めて15Cから話を始めました.以後,時系列に出来事を説明すると共に,それらの出来事がこれまで経済学Aの講義で説明したどの内容とリンクしているかを説明しました.
 まず15C-18Cの重商主義を説明しましたが,ここでは第7回の「貿易」と大きく関連があります.貿易差額主義の帰結をリカードの比較生産費説から説明しました.次の産業革命は上述の1人あたりGDPの急増と関連がありそうです.ここでは資本蓄積の話をしました.さらにマルサスの人口論についても説明をしました.
 18Cには経済学も誕生しました.現在で言うところの古典派経済学がアダム・スミスらによって形成されます.19Cには,マルクスとエンゲルスによる「共産党宣言」が発表され,この共産主義熱の高まりは1922年のソ連成立へとつながっていきます.
 20C初頭には世界大恐慌とケインズ革命が起こります.これまでの経済学を“古典派”,つまり過去のものにしてしまう革命が起こります.ケインズ派経済学については第3回の「マクロ経済学」の所で説明しました.
 これ以後のトピックは個人的な趣味に走っていますので説明は省略しますが,緑の革命,東アジアの奇跡,ソビエト崩壊,グローバル化の進展と説明しました.

重要】テストについて
 テストは筆記試験で行います.持ち込みはA4用紙1枚に限り認めます.ただし自筆のみ可です.友人のまとめた資料をコピーしたりしてはいけません.