2007年9月28日金曜日

ミクロ経済学ベイシックⅡ 第3回

 今回もゲーム理論でした.反応がないので割とペースが速かったかもしれません.課題を出し忘れた人は次回必ず持ってきましょう.来週忘れたら知りません.

【授業の内容】
 まず,ミニ・マックス戦略というゲームの解き方を説明しました.それぞれの戦略を選んだ場合に起こる最悪な事態を想定し,その中で一番マシな戦略を選ぶという随分悲観的な戦略でした.被害を最小化するというのが目的であるため,前回学んだナッシュ均衡とは答え(各プレーヤーが選ぶ戦略)が異なる場合があります.
 次に,混合戦略を用いたナッシュ均衡を説明しました.これまでのゲームではプレーヤーは必ずどれか1つの戦略を選ぶという,純粋戦略という条件の下で話を進めてきましたが,ここでは各戦略の選択に確率を導入して最適な戦略を考えます.問題の解き方は,各戦略の期待値を計算し,ある戦略がもっとも望ましいのはどういう条件の場合かを明らかにします.それにより,相手の戦略に対する最適反応が得られます.お互いの最適反応が交差するところが答えとなりますが,この考え方は正に前回学んだナッシュ均衡そのものです.ナッシュ均衡という考え方は今後,複占を学ぶ上で重要ですので,必ず確認しておきましょう.
 最後に,時間は短くなりましたが,逐次手番ゲームも説明しました.逐次手番ゲームとはトランプのババ抜きや麻雀のように,各プレイヤーが順に行動するゲームです.1万円配分ゲームを通じて逐次手番ゲームではどのように行動すべきか考えてもらいました.答えとしては,最後に戦略を選ぶプレーヤーの行動をまず予想し,その直前のプレーヤーの行動を分析し,と後ろから順に予想していきます.すると最初に行動するプレーヤーの最適な戦略も見えてきます.このような解き方を後ろ向き帰納法(Backward Induction)と呼びます.相手に対する報復,それを予想した行動,というのは現実の企業活動でもありえそうですね.

【課題】
 テキストの独占の部分を読んでくること.ちなみに前回の以下の課題はまだ誰も提出していません.引き続き募集中です.

「支配される戦略の逐次消去」もしくは「ナッシュ均衡」で解が出せる問題を書いて,答えも出して下さい.きちんとストーリーをつけて下さいね.

2007年9月27日木曜日

総合政策演習D 第3回

 今回も同じくテスト&解説です.ただ,範囲は前回と同じです.今回はみんなの予習時間を記入してもらったので,いろいろとデータを見てみました.
 まず,前回のテストからの点数の変化と予習時間の散布図を取ってみました(右図).これを見る限り,予習時間の長さと点数の伸びにはなんとなく相関がありそうですね.予習したのに点数が下がった人は2人だけでした.
 ただし平均点自体が前回の3.73から5.60へと伸びているので,安易に予習したら点数は上がるとは言えないかも知れません.なので,予習した人と予習していない人(無回答を含む)のグループで点数がどのように変化したか調べてみると,
予習した人
点数が上がった:85.7%
点数が変わらない0r下がった:14.3%
点数変化の平均:+2.6点
予習しなかった人(or無回答)
点数が上がった:70.6%
点数が変わらない0r下がった:29.4%
点数変化の平均:+1.4点

 どちらも点数が上がった人の方が多いようですが,予習した人の方が点数が上がった人の割合も多いし,点数の伸びも大きいようです.サンプルの数もそれほど大きくないので有意な差があるかどうかは微妙かな?まぁ,こんな難しいこと考えないでも,予習した人は自分の理解が進んだことは実感できていると思います.

 来週,再来週は松村先生の物理の講義です.僕は10月25日に復帰します.

【課題】
 10月25日はテキストのpp.98-133の範囲をテストします.予習すれば点数は上がるんだから,ちゃんと予習しましょう.

経済数学入門 第3回

 今日はアンケートをしました.授業で呼びかけてもなかなか反応がないので,アンケートでみんなの意見を聴こうと思ったのです.アンケートの結果は下にまとめてあります.

【授業の内容】
 今日は関数の締め括りとして,グラフの描き方を中心にやりました.関数をグラフにしたり,グラフの意味を読み取ったりすることは経済学を学ぶ上で非常に重要です.また不等式についても説明しようとしたのですが,時間がなかったために駆け足での説明になってしまいました.それほど急ぐ必要もないので来週に改めてやりたいと思っています.
 またアンケートと一緒に,ミニテストをやりました.どれぐらいの人ができるのか心配していたのですが,ほぼ全員が理解していたようなので,とりあえず一安心です.しかし,あれほど言ったのに軸の説明や原点を書き忘れている人が少なくありませんでした!テストだったら×ですよ!いずれにせよ,今回は個別の呼び出しはしませんが,自分が「あんまりわかっていない」と思っている人はぜひ全学共通教育センターに来て下さい.僕も個別の方が上手く説明できる自信はあります.
 次週は今回不十分だった不等式をやります.時間があれば指数もやります.

【アンケート結果】
 まず点数をつける部分ですが,集計結果は下記の通り.
「授業態度の自己評価」平均3.88 (5点満点)
「自分の理解度」    平均3.96(5点満点)
「講義の総合評価」   平均3.86(5点満点)
 みなさん授業内容をある程度理解してくれているようですね.安心しました.ただし記名式なのでわりと僕に対して甘くつけてくれている可能性もありますが,これまでの経験上,無記名でもあまり評価はかわらないようです.

 さて記述式の部分ですが,意見と僕の意見(矢印の部分)を列挙します.
授業に対する不満&自由意見
(スピードと分量について)
・進むのが早い(6人)
・教えるスピードがちょうど良かった
・2次不等式まで進まなかった
・プリントは2枚ぐらいがちょうど良い(2人)
→この授業のターゲットは数学が苦手な学生ですので,今後はもう少しゆっくりやりたいと思います.ただ,僕が「もっと時間が必要か?」と問いかけても,みんなまったく反応してくれないんだよなぁ・・・.僕も気をつけますので,みなさんもなるべく意見を主張して下さい.

(難易について)
・あんまり理解できなかった
・数学が苦手なので辛い
・簡単だ(3人)
・わかりやすい(2人)
・少しずつ理解できてきたので楽しい
→なるべくみんなの座席を回って理解を確認しているつもりですが,人数が多いのでどうしても1人1人をチェックできません.今回理解できなかった人は,ぜひ来週の月曜日の5限に全学共通教育センターに来て下さい.僕がいますので,今回の内容を説明します.今回の範囲があやふやなままだと後で困りますので,今のうちに不安なところをつぶしていきましょう.

(苦情)
・プリントの計算スペースが少ない
→僕もそう思いました.今後気をつけます.
・間違えすぎ(4人)
→弁解の余地もありません.今回はひどかったですね・・・.すみません.

(提案)
・復習よりも新しく習うことに時間を割くべき
→今回について言えば,確かにもっと不等式の説明をすべきでしたね.来週に改めてやります.
・プリントにページを記して欲しい
→確かにその方が説明しやすいですよね.次回からやってみます.
・解答を最後に渡して欲しい
→課題の解答だよね?下を参考に.
・課題の答えがわからない場合はどうするのか
→授業でも伝えたと思いますが,課題の解答はHPに掲載しています.答えはどうせ確認して捨てるので紙がもったいないからそうしました.エコです.
・自由席にして欲しい
・座席指定が良い
→どっちが良いんでしょうかね?僕もまだ決めかねています.もう少し考えさせて下さい.

(感想)
・数Ⅰ・Aしかやってないので,微積が不安
→積分はやらないので微分だけですが,今回の内容が理解できるならまったく心配いりません!今やってることより簡単です.
・久しぶりに数学をするので新鮮
→大学入るとなかなか数学をする機会はありませんからね.きっと脳のトレーニングにも良いですよ.

【課題】
 第3回の課題は提出しなくて構いませんが,必ずやっておきましょう.

2007年9月25日火曜日

経済学Ⅰ 第2回

 ようやく本格的な授業が始まりましたね.今回から授業終了時にアンケートと簡単なテストをやることにしました.毎回やるわけではありませんけどね.

【授業の内容】
 まず簡単に前回の復習をした後,経済学の歴史を一部分だけザッと説明しました.古典派からケインズ派,そして新古典派への流れを見てみました.それぞれの学派が台頭した経緯や,それぞれの学派の考え方を説明しました.
 古典派とケインズ派の考え方は,市場への信頼需要と供給の因果関係において対照的です.これらの違いは当然ながら政策にも差を生むことになります.
 もちろんこれで経済学の流れをすべて網羅したわけではありませんが,とりあえず経済学Ⅰを学ぶ上での知識は得られたはずです.ちなみに経済学の流れを学ぶ上では,マルクスらが唱えた社会主義経済学も欠かせないとは思いますが省略しました.
 今日の前半部分の内容で重要なキーワードは以下の通り.確認してみましょう.
【キーワード(前半)】
・神の見えざる手
・レッセ・フェール
・セイ法則
・有効需要の原理
・市場の失敗
・規制緩和と民営化

 後半は物価について説明しました.物価,物価とよく言いますが,物価とは具体的には何を意味するのでしょうか?
 授業では物価の指標として次の3つを紹介しました.
・CPI(消費者物価指数)
・企業物価指数
・GDPデフレーター
 このうち特にCPIの計算方法を説明しました.みなさんできましたか?計算でつまずいたという人は,全学共通教育センターに来て下さい(月曜5限).そこでもっとわかりやすく説明できると思います.
 授業では1970年代と現在の様々な値段を比較してみました.時間がなかったので紹介しませんでしたが,明治時代の物価についても調べていました.ちなみに夏目漱石さんが明治40年に東京朝日新聞(現在の朝日新聞)に入社したときの給料は月額200円+賞与だったそうです.同時代の大工さんの給料は月額50円だそうですから,格差社会と言われる現在よりずいぶん格差のある社会だったのかもしれませんねぇ.なお,うどんは2銭だったそうです.(100銭=1円)

 最後のアンケート&テストですが,テストは明らかに間違っている(ケインズ派と古典派を取り違えている,白紙など)人を除いてはきちんと理解している(=出席した)とみなします.そうではない人は欠席とします.「真面目に聞いていたがどうしてもわからん」という人は個別に相談して下さい.

2007年9月20日木曜日

ミクロ経済学ベイシックⅡ 第2回

 今日からゲーム理論です.ゲーム理論は駆け引きの分析方法であり,この後学ぶ「複占(2社による独占)」を理解する上で必要な知識です.今日の内容は,みなさんにとって経済学っぽくないように見えるかもしれませんが,経済学の重要な1分野です.

【授業の内容】
 今日は一貫して,同時手番,完備情報,非協力というルールのゲームを学びました.最初のゲームは「囚人のジレンマ」と呼ばれる有名なゲームです.お互いが合理的に行動したために,ひどい目に遭ってしまいましたね.お互いに協力できればパレート改善できるにも関わらず,利己的に利得を追求したために長い懲役をくらってしまいました.
 続いて,「囚人のジレンマ」より選択肢(戦略)が増えたゲームを,「支配される戦略の逐次消去」で解いていきました.一旦ゲームの見方を理解すれば,簡単だと思いますがいかがでしょう?
 その後,「支配される戦略の逐次消去」では答えを出せない問題を「ナッシュ均衡」という新たな概念を用いて考察しました.「ナッシュ均衡」とは何かをわかりやすく説明するのはなかなか難しいです.僕の説明に納得できない人は図書館でゲーム理論入門の本を探してみて下さい(何冊かあります).ちなみに教科書には載っていません.
 教科書には具体的な問題が少ないので,必ず授業でやった問題,課題で復習しておきましょう.またテスト直前になって「忘れた」というのはやめて下さい….
 最後に「ホテリング・ゲーム」を出したんですが,見事に答えられてしまいましたね.パッと理解できた人はゲーム理論に向いていると思います.

【参考文献】
神戸伸輔『入門ゲーム理論と情報の経済学』日本評論社
渡辺隆裕『図解雑学ゲーム理論』ナツメ社

【課題】
 今日の出欠代わりに課題を出しました.次回提出して下さい.なお裏面には,今日学んだ解法「支配される戦略の逐次消去」もしくは「ナッシュ均衡」で解が出せる問題を書いて,答えも出して下さい.きちんとストーリーをつけて下さいね.もっともおもしろいものを期末テストで利用させてもらいます.

総合政策演習D(後期) 第2回

 今回はガッカリです….すでにやったことのある範囲にも関わらず,前期よりもむしろ平均点は低そうです.夏休みの魔力のせいなのか何なのかわかりませんが.前期は結構点数の良かった人たちまでも悲惨な結果に.僕に対するイジメなのかとすら思いました.まぁ僕が悲しむのはどうでも良いんですが,このままだと春に皆さん自身が悲しむことになってしまいますよ!

【授業の内容】
 指定した範囲のテストを行い,その解説を行いました.結果が酷かったので,来週もう一度同じ範囲をテストします.こういうテストはやればやっただけ身に付くんだから,きちっとやりましょうよ.どうせやらなきゃいけないんだし.
 息抜きに「日経の優良企業ランキング」を紹介しました.参考になるかどうかは皆さん次第ですが.気になる人は図書室か自習室にある火曜日の日経を読みましょう.

【課題】
 というわけで,範囲は再度pp.66-97です.この中からランダムに8問と時事問題を2問の予定です.時事問題はわりに正解してたから,新聞は読んでいるのかな?

2007年9月19日水曜日

経済数学入門 第2回

 前回に比べ受講者数は増えていましたね.ぜひこのまま続けて下さい.数学は大事です!

【授業の内容】
 今日は学部で習う経済学でもっとも頻繁に使うこととなる2次関数を主に確認しました.見て回った限りだと,みんな意外とできてる様子なので,結構早くすすんでしまいました.とはいえ,この辺が苦手だという学生も実際にはいるはずです.授業中に質問しにくければ,全学共通教育センターを利用するなどして,必ず弱点を克服して下さい.ワンパターンだから,本気でやればすぐ慣れることができます.
 前回の課題の解答をHPから以下からダウンロードできます.確認しておきましょう.ちなみに掲載するのは今週末までです.
http://wmt.bunri-u.ac.jp/mizunoue/filedl.html
 授業内でも伝えた通り,この授業のやり方について提案がある人は,このブログに書き込んで下さい.僕にとって役立つコメントには,お礼をします.提案以外でも感想など気軽に書き込んで下さい.みんなの反応があれば,より授業を円滑に進めることができると思います.

【課題】
 今日の課題は来週提出して下さい.今回の出欠の代わりにもします.必ずすべてを埋めろとは言いませんが,わからないところは「どこまでわかるが,どこがわからない」というのを示して下さい.

2007年9月18日火曜日

基礎総合演習B 第2回

 今日の目的は,「自分の頭で考える」と「コミュニケーション能力を養う」の2点です.一見,簡単そうに思えるかも知れませんね.

【授業の内容】
 前半は「株式について」考えました.株式についての最小限の情報だけを僕が教え,「どんな株が値上がりするのか?」は皆さんに考えてもらいました.僕の考える答えとピッタリ一致したわけではありませんが,かなり活発に意見が出ていましたね.なかなか良い所まで行っていました.
 各チームの意見を僕なりにまとめると,

チーム:コーナー・ザ・マーケット
 福祉・医療,地デジなど将来性が期待できるもの.景気にも左右される.
チーム:ピーコ
 石油,車,野菜,銅,鉄,肉,まとめると生活に必要な物と言えるでしょうか.
チーム:マネータイガー
 ダイエット食品など流行のもの.その他バイオ関係も.

 3チームのまとめとしては次の8つに注目すべきということでした.
・需要
・売上
・規模
・知名度
・流行
・信頼性(コンプライアンス)
・将来性
・利益

 さらに,みなさんに不足している知識としては,「個別の企業の情報」が挙がりました.その情報を入手するためには,日経新聞,四季報,(個別企業の)IR情報を調べてみる必要があるということでした.
 本やネットに頼らなくても,みんなで考えるとかなり答えは出てきますね.方向は決して間違っていません.社会科学系の学部で学ぶ内容は必ずしもすべてが100年後も正しいこととは限りません.皆さんは本の内容を鵜呑みにしないで,自分の頭で考え,批判精神を養って下さい.(株の本の中には本当にひどいのもあります!)

 後半は「演習でやりたいこと」について相談しました.みんなからは比較的柔らかい提案が多かったんですが,大学の演習なので,少し固いのも選択肢に入れましょう.ということで,今回は結論を出さず持ち越しですね.バーベキューもそのうちやりましょう.
 今日はみんな積極的に意見を出していて,非常に良かったです.この調子でいきましょう.

【課題】
1.次回はついにエントリーしますので,その時に買う銘柄を1つ以上選んできて下さい.
2.我々にどんなボランティア活動ができるか考えてくる.

経済学A 第2回

 今回はカネ,カネという講義でしたね.しかし,経済学は必ずしもお金だけを考える学問ではありません.今回はたまたまです.

【授業の内容】
 まず前半は,「大学への進学は合理的か?」という問題について考察しました.新しい概念として機会費用を説明しました.みなさんの大学進学を学費や生活費だけでなく,機会費用(大学に進学しなかったら受け取ったであろうお金)も含めて合理的であったか改めて計算してみたわけです.学費や生活費も高いですが,機会費用もかなり高いですよね.皆さんはそれだけの費用を払って大学で学んでいるわけです.払った費用の分だけ,キッチリと知識を身につけてもとを取りましょう.
 結論からすると,生涯所得で比べると大卒の平均と高卒の平均には大きなひらきがありますし,あくまでお金の面だけ考えれば進学は合理的でしょうね.(もちろん家庭に進学させる余裕がある場合です.金銭的な制約があれば,進学を断念せざるを得ない場合もありますからね.)また,講義から離れて僕個人の意見ですが,大学で得るもので重要なのは大卒という肩書きではなく,何を学んでも良いという自由な時間と友人だと思います.ただし,そういうのは経済学では分析対象になることは稀です.

 後半は,「どんな企業で働くと給料が高いのか?」という,生々しいテーマでした.といっても,大学の講義ですので,ランキングを見て「へー」というだけではなく,高い給料を払っている会社に共通する特徴を考えてみました.
 給料は我々が企業に労働時間を売る時の売値だと考えることもできます.そう考えれば,前回の「ダイヤモンドはなぜ高い?」を応用すれば,我々が労働時間を高く売るためには,労働力に対する供給よりも需要が高ければ良いわけです.つまり,みなさんは企業が求めているが(需要),周りの学生があまり持っていない(供給)能力を持つ人材になれば良いのです.こんなことを言うと学生はすぐ「じゃあ資格を取らなければ!」と安易に思うわけですが,実際にはそうでもないようです.
 経済産業省が発表した社会人基礎力に関する中間とりまとめによると,従業員数100人以上の企業に対するアンケートで,「採用時に重視する能力」としてもっとも回答が多かったのはコミュニケーション能力であり,資格取得は7番目でした.コミュニケーション能力に続いては,ビジネスマナー,基礎学力,積極性(外向性),責任感が並んでいます.
経済産業省 社会人基礎力に関する研究会「中間とりまとめ」報告書
http://www.meti.go.jp/press/20060208001/shakaijinkisoryoku-gaiyou-set.pdf
11ページを参照.
 学生にとっては意外かもしれせんね.敵を知り己を知らば百戦して危うからず,ですね.まずは敵(企業)のことを知りましょう.

2007年9月13日木曜日

ミクロ経済学ベイシックⅡ 第1回

 さて,後期ですが5限です.お互いしんどいですね.「みんな疲れてるだろうから,こっちもやりにくいよなぁ」と思っていたのですが,ちゃんと真剣に聴いてましたね.これからもよろしく.
 評価方法は前期とあまり変わりません.ミニテストの回数が増えるとは思いますが.

【授業の内容】
 今回は前期の復習と後期の全体像を示しました.前期の内容(完全競争市場)をベースとして,そこから離れると…というのが後期の内容です.今日話した内容はどれも前期話していますが,改めて全体像を聴くと理解が深まったのではないでしょうか?
 来週からゲーム理論について学びます.ゲーム理論は駆け引きについての分析です.「なぜ経済学で駆け引きを学ぶか」ですが,現実の経済では企業同士の駆け引きは良く見受けられますよね.ある会社が携帯料金を値下げしたらライバルも値下げしたり,これなんてまさにゲーム理論の分析対象になりそうです.(ちょっと探すと論文もあるかも?)

【課題】
 来週までにゲーム理論について少し勉強してきて下さい.テキストで言えば,pp.258-266であり,キーワードで言えば,「同時手番ゲーム」,「囚人のジレンマ」あたりです.

総合政策演習D(後期) 第1回

 演習Dも久々ですね.後期も僕が最初の数回を担当します.夏休みの間にみんな髪が黒くなってましたね.当たり前か・・・.

【授業の内容】
 早速テストというわけにもいかないので,今回は就活のスケジュールを確認しました.大半の人はちゃんと就活サイトに登録してましたね.みんなのんびりしてそうなので心配してたのですが杞憂でしたね.
 何度も繰り返しになりますが,就活は情報が大事です!ネットや友人同士のつながりなど,使えるものを駆使して情報を集めて下さい.

 さて,SPIの方ですが,今回はテキストに載っていないテーマを紹介しました.どれも一度やったことがあれば,それほど悩むこともないでしょう.

【課題】
 来週はテストをやるので遅刻厳禁ですよ!範囲はpp.66-97です.この中からランダムに8問と時事問題を2問の予定です.そろそろ新聞(できれば日経)を読みましょうね.

2007年9月12日水曜日

経済数学入門 第1回

 誤解のないように何度も言いますが,「経済数学入門」の講義は「数学が苦手」な人をメインターゲットにしています.「数学が嫌いだから取らない」のではなく,「数学が苦手だから取ろう」と思って下さい.もちろん数学が得意な人も受講をオススメします.来年以降の授業で必ず役に立つはずです.

【授業の内容】
 授業を始める前にリーダーを中心にチーム分けをしました.この授業では実際に問題を解く機会が多く,僕1人では個別に全員の質問を聞くことができないので,METの結果で得点が高かった人をリーダーとして選び,僕の補佐役をお願いします.今回はまだぎこちなかったようですが,今後に期待しております.
 さて,本題の数学ですが,今日は「関数とは何か?」ということを今更ながら考えてもらいました.高校までの数学の授業では,関数の意味をあまり深く考えずにとりあえず問題を解いていたという人も多いのではないでしょうか.関数の表記をきっちり理解しておくことは,経済学を学ぶ上で欠かせません.
 来週から様々な関数とそのグラフについて説明します.また今回の課題の説明もする予定です.

【課題】
 提出しなくて構いませんが,配ったプリントは必ずやっておいて下さい.必ず!

2007年9月11日火曜日

基礎総合演習B 第1回

 この授業,例年男の子ばっかりなせいか大人しい印象なのですが,今回はみんな元気ですね.迫力に負けてしまいそうです….

【授業の内容】
 今回は,演習と講義の違い,演習の内容について簡単に説明した後,ロティに場所を移し,チーム分けや来週の課題などについて説明しました.本格的な授業は来週からですね.

【課題】
1.次回は,株式についてのテキストを持ってくる(借りるor買う)
2.チーム毎に「演習でやりたいこと」を決めてくる

 課題は忘れないように!演習の主役はあくまで学生であるみなさんですよ.

経済学A 第1回

 今日から始まった経済学Aですが,朝1なので皆さんも大変でしょうが,お互いがんばりましょう.

【授業の内容】
 まず,僕が話している時は私語をしないこと,当たり前ですが確認しました.それ以外は(常識の範囲内で)自由にやってくれれば良いです.ただし,サボってると単位を落としますよ.後は評価方法などについて説明しました.説明した通り,今回発表してくれた人にも加点します.
 授業の説明の後は早速経済学の話もしました.ダイヤモンドの値段を例に,価格の決定について説明しました.「ダイヤモンドは希少だから高い」というのは一見もっともらしく聞こえますが,それだけでは十分ではありませんでした.
 来週は「選択」について説明します.

2007年9月10日月曜日

経済学Ⅰ 第1回

 さて,夏休みも終わり後期が始まりました.夏休みはあっという間に終わってしまいますね.僕も悲しいです.

【授業の内容】
 最初なので,この授業についてのいくつかの説明をしました.大事な所だけ繰り返すと,
・評価は期末テスト,ミニテスト(数回),発表の点数を合計したものです.当然ながら60点未満は不可です.
・ミニテストは普通に講義を聴いていれば誰でも解ける問題を出します.事実上の出欠確認のようなものです.
・発表点は最大で20点.期末テストとミニテストの合計だけで100点満点になるようにするので,おまけのようなものです.当然ながら発表点を加えると100点を超える可能性がありますが,100点を超えても評価は100点です.
 必修ですが,勉強してないと思えばキッチリ落とすので,気合いを入れて勉強して下さい.

 さて本題ですが,経済学Ⅰは実際には「マクロ経済学入門」です.テキストは指定していませんが,図書館でマクロ経済学の入門書を借りても良いでしょう.今回は,「マクロ経済学」と「ミクロ経済学」の違いを説明した後,経済成長の目安であるGDP,マクロ経済学の全体像,について説明しました.
 「マクロ経済学」と「ミクロ経済学」の違いは,経済を巨視的に(望遠鏡で)見るか,微視的に(顕微鏡で)見るかの違いでした.しばらくは望遠鏡で一国の経済全体の動きを見ていきます.
 GDPとは国内総生産のことで,国内で新しく発生した価値の合計でしたね.講義ではお弁当を例に,お弁当屋さんが材料に価値を付与する流れを確認しました.「最終的にお弁当がいくらで売れるか?」ではなく,お弁当屋さんが「どれだけ価値を追加させたか?」がGDPの概念です.GNP(国民総生産)との比較もしましたが,きちんと理解できたでしょうか?質問があれば,このブログに書き込んでください.
 最後のマクロ経済学の全体像ですが,主なプレーヤーを4人(?)紹介しました.企業と家計が作り出す市場と,市場を補う政府と中央銀行という位置関係はぜひ覚えておいて欲しいところです.
 休日などの関係で次の授業は25日(火曜日)になります.

【本日出てきたキーワード】
・マクロ経済学(⇔ミクロ経済学)
・GDP
・財
・企業,家計,政府,中央銀行