今回はミクロ経済学ベイシックⅠでは,教える側の僕にとって一番の鬼門であるスルツキー分解を説明しました.
【授業の内容】
スルツキー分解とは,家計による消費を,所得効果と代替効果に分解してとらえるという考え方です.話はだいたいイメージできるかもしれませんが,図の説明は難しいんですよねぇ….
与えられた予算のもとで,2つの財(AとB)のうち一方の価格が変化したら,それぞれの財の消費はどうなるかを様々な例で説明しました.
・代替効果
代替効果とは,相対的に安くなった方の財の消費を増やそう,そして相対的に高くなった方の消費を減らそうという気持ちのことです.ポイントは"相対的に"という点です.ある財(A)が値上がりしたら,この財を減らそうという気持ちはあるでしょう.それだけでなく,この財(A)が値上がりしたことで,相対的にもう一方の財(B)が値下がりしたように(実際には変わっていませんが)感じられるので,消費を増やそうという気持ちになるはずです.牛肉が値上がりすれば豚肉を買おうと思いますよね?それが代替効果です.
・所得効果
所得効果は,実質所得が変化したことによる消費の変化に注目します.こちらのポイントは"実質"所得であるという点です.つまり所得が実際に変化していなくても,実質的に豊かになったり,貧しくなったりすることによる変化も考慮しているのです.
実質的に豊かになるとはどういうことでしょう?例えばあなたが普段,米だけを食べているとしましょう.その時,生活費が先月と同じでも,米の値段が安くなると,今月は実質的に豊かになった気がしますよね.これが実質所得です.
というわけで,上の例のように,ある財(A)が値上がりしたら,その人にとって購入することの出来る財の組合せが減ってしまうので,実質的に貧しくなっています.では,実質所得が減ると,それぞれの財の消費は増えるのでしょうか?減るのでしょうか?それはそれぞれの財が上級財なのか下級財なのかによって変わってきます.
なかなかややこしい話なので,来週も説明します.
今回配ったプリントは自習用ですので提出する必要はありません.
2009年5月9日土曜日
ミクロ経済学ベイシックⅠ 第5回
ラベル: 2009, ミクロ経済学ベイシックⅠ
経済学A 第4回
前回に引き続き,マクロ経済学について学びました.
【授業の内容】
今回は,前回説明した経済の仕組みを前提に,経済学の変遷(進化?)の歴史を説明しました.
18C後半の古典派から,世界大恐慌後のケインズ派の台頭,そして新古典派の台頭に至るまでの歴史的経緯とそれぞれの学派のエッセンスを説明しました.ポイントは,市場に対する信頼と介入の大きさです.民間側の税負担が重い代わりに政府が大きく介入する大きな政府と,税負担は軽い代わりにあまり介入しない小さな政府という比較もしました.
日本はそういう分類では小さな政府の国です.税金の負担が重いように感じるかもしれませんが,国際的な比較ではかなり税率が低い国です.
また授業の後半では,財政政策と金融政策の基礎についても説明しました.
時間に余裕があればマルクス経済学も(一応,歴史的知識として)説明したかったのですが,無理でした….
経済政策論 第4回
今回から健康保険・介護保険について取りあげます.
【授業の内容】
初回なのでまず健康・介護保険の基礎的知識をレクチャーしました.まず,社会保障制度とは何かを説明しました.社会保障は保険的方法と扶助的方法の2つに分類できますが,今回は保険的方法である健康保険・介護保険についてがテーマです.
続いて,健康保険制度とはどのような仕組みなのか説明しました.我々は普段,健康保険と一括りにすることが多いですが,実際には様々な種類の保険を総称して健康保険と呼んでいます.それぞれに保険料や医療費負担の割合が異なるようです.
また,関連して後期高齢者医療制度についても簡単に説明しました.
後半は,介護保険制度について説明しました.保険料,利用できるサービス,財源などについて紹介しました.
今回は健康保険と介護保険についての表面的な知識を説明しただけです.次週までに次の点について調べてきてもらいます.
・誰が,どの健康保険に入るのか?それぞれの保険にはどのような違いがあるか?
・医療費の保険診療点数について調べる.
・健康保険が抱える問題点について調べる.