2010年8月9日月曜日

経済学A 第15回(7/27)

 しばらくほっといてしまい,今さらですが第15回です.最終回はこれまであまり話ができなかった金融について少しふれた後,開発経済学を紹介しました.

【授業の内容】
 前半の金融については,中央銀行と市中銀行の役割,金融政策,直接金融と間接金融などを中心に説明しました.中央銀行とは,貨幣の発行や,貨幣の流通量を調節する(結果として物価や金利も調節する)役割を持つ銀行です.日本の中央銀行は日本銀行です.
 この日本銀行は貨幣の流通量を調節することで,日本の物価,および景気を調節しています.貨幣の流通量を増やせば,みんなの手元にお金が届くため,投資にまわるでしょう.より正確に言えば,貨幣が増えれば利子が下がるためお金が借りやすくなり,投資が増えるのです.ただし,貨幣が増えれば物価が上がる(インフレ)という弊害もついてきます.逆に貨幣の流通量を減らせば,貨幣が貴重になるため利子率は上がってしまい,結果として投資が減ります.またモノに対して貨幣が貴重になるため物価は下がります(デフレ).
 市中銀行の役割は,お金の貸し手である家計からお金を預かり,それらをまとめて大きな金額にして企業に貸し付けるという間接金融が主です.対して,企業が直接的に家計からお金を借りることもあります.そのような直接金融の例が株式です.

 後半は開発経済学について説明しました.短い時間でしたが,主に途上国の現実をデータで紹介しました.平均寿命,HIV感染率,非識字率,飢餓にあえぐ人の割合,地域ごとの経済成長率など様々な側面から途上国,あるいは貧困について見てみましたが,どうでしたか?我々の目や耳に届きやすいのは,中国やインドなど,急成長しているアジア諸国が多いでしょうから,アフリカの国々の実態には新たな発見もあったのではないでしょうか?

 これで経済学Aの授業は終りです.経済学Bの授業はないので,ほとんどの人は大学で経済学について学ぶことはもうないでしょう.しかし,経済はみなさんの生活におそらく一生ついてくると思います.今後もちょっと関心を持ち続けると役に立つこともあるかもしれませんね.

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