2011年9月25日日曜日

経済学A 第1回(9/20)

 書くのが遅くなりました.今回は初回なので,わりと柔らかめの話をしました.

【授業の内容】
 まず皆さんが最も気になっているであろう「単位を取れそうか?」という話をしました.昨年度前期のこの講義では本試験(筆記試験)を受けて単位を得られた人は88%です.前期は再試験の対象者が少なかったので筆記用具ではなく,レポートにしました.
 なお評価は基本的に期末試験(100点満点)ですが,ボーナスとして授業での発表点を加算します.出席点は原則としてありません.ただし,皆さんが真剣に受講するよう促すため,後述のインセンティブを用います.皆さんがその回静かに受講し,僕が「静かにしなさい」ということがなければ期末試験の点数の上限を1点上げ,逆にうるさければ1点下げることにします.ただし上限が100点を下回ることはありません.そのため,すべての回を静かに受講すれば期末試験は100+1×15=115点満点です.

 以下は授業についての約束事です.
・出欠は学生証で行います.出欠をチェックする時間内にチェックできなかった人は欠席です.そのため,遅刻というものはありません.また学生証を忘れた人も欠席です.
・私語は,授業の妨げになるので当然ダメです.逆に言えば,授業の妨げにならないことは大体オッケーです.お茶を飲むのも可です.推奨しませんが寝ても文句は言いませんし,授業を受けたくない人は静かに退出してくれれば構いません.

 さて,今回の前半は,経済学とは何かを説明しました.その分析対象は実に幅広く,皆さんがイメージするお金の話(金融,株,為替など)はその一部に過ぎません.経済学にはミクロとマクロという2つの視点があります.マクロは巨視的,つまり巨大なものを望遠鏡で覗いて,その全体像を理解します.逆にミクロは微視的,つまり巨大なものを構成する最も小さなプレイヤーの動きを理解することで全体像を理解します.ミクロとマクロは経済学を支える大きな2つの柱です.僕はミクロの方が好きなのですが,マクロの方が社会常識として役に立ちそうなので,授業ではマクロの話が多くなるでしょう.今回話した賃金の話などはミクロの分野ですが,面白くないですか?僕は面白いと思うのですが,押し付けかもしれませんね.

 後半は経済学において最も重要な考え方であるインセンティブをじっくり説明しました.インセンティブは日本語に直すと「誘因」,つまり人々の行動や選択を動かすものです.わかりやすく言うとアメとムチですね.経済学はアメとムチで問題を解決します.その例として,ゴミの不法投棄や保育所の話をしました.日本人が他国の人々に比べ災害時にマナーを守るのもインセンティブのせいではないかと僕は思います.

 さて来週は次の3つを説明します.「ダイヤモンドはなぜ高いのか?」,「大学進学は得か?損か?」,「儲かる仕事とは?」です.「ダイヤモンドはなぜ高いのか?」については自分で考えてきてください.これが課題です.

 またこの講義では以後3回程度アンケートを取ります.そこで皆さんからの質問や要望などを受付けます.

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