今回は,前回に引き続き微分です.非常に重要なところなので,必ず自分のものにしましょうね.
【授業の内容】
微分の計算方法自体は前回説明しましたね.今回は微分の意味を活用方法を説明しました.この講義で,皆さんに最も理解して欲しいことは,「微分すると傾きが得られる」ことです.「微分」と聞いたら「傾き」,「傾き」と聞いたら「微分」が反射的に出てくるよう,頭に叩き込んでください.なぜなら,経済学では,利潤の最大化や費用の最小化などに関連して,傾き(つまり増加率)をよく利用するからです.
なぜ最大化や最小化と傾きが関連しているかと言えば,最大化(や最小化)の点では,その関数の傾きが0となるからです(厳密に言うと関数の形状,変数の種類にもよりますが…).2次関数(縦軸:y,横軸:xとする)を例に取れば,2次関数は山型(上に凸)かU字型(下に凸)の形状をとりますが,その頂点や底はそれぞれ最大値や最小値を示しています.そのため,まずは2次関数のグラフをきちんと描けるようになりましょう.もちろん平方完成でも2次関数のグラフを描くことはできますが,平方完成は計算ミスが多いので,今後は微分を使いましょう.
さて,その具体的なやり方ですが,2次関数を微分すると,放物線の傾きが出てきます.頂点や底は傾きが0となっているため,頂点や底が知りたければ,微分したものを0と置きましょう.すると頂点や底のx座標が出てきます.さらにそのxを元の2次関数に代入すれば頂点のy座標も得られます.ここで間違えて微分したものに代入してしまうと当然0になります.なぜなら,傾きが0になるようなxを求めたわけですから,傾きを示す微分の式に代入すれば0になるからです.
このグラフを描く方法は,3次関数以降でも利用できます.ただし,3次以上の関数では傾きが0となる点が必ずしも最大値(や最小値)となるわけではないので,傾きが0の点を今後は極値と呼びます.
来週は3次関数のグラフを描きます.そして,その翌週は中間テストです.きっちり準備しましょうね.
2010年11月12日金曜日
経済数学入門 第6回(11/8)
2010年11月7日日曜日
経済学A 第7回(11/2)
今回は資産運用入門です.
【授業の内容】
資産運用とは言え,株をどこで買うかとか,そんな話は自分で調べればわかるものなので,ここでは,資産運用の理論的な部分を説明しました.
まず,利子と現在価値の関係を説明しました.現在,手元にある100万円を銀行に預ければ(利子率1%とする),1年後には101万円になります(税金や手数料は無視しておく).つまり,この場合,現在の100万円と1年後の101万円が同じ価値であると言えます.お金は時間が経つと増えると考えても良いかもしれません.
さて,では逆に考えることも可能です.つまり1年後の101万円を現在の価値に直すと100万円です.このような考え方を,現在価値(現在割引価値)と言います.将来受け取るお金を現在の価値に直すときには利子率で割り引かねばなりません.きちっとした計算式は講義中に書きました.
期待値の説明です.株が確実に値上がりすれば良いのですが,未来のことは誰にもわかりません.そのため,まだ起きていない未来のことについての平均値である期待値のことを説明しました.期待値は高校の数学でも学んだかもしれませんが,起こり得る結果とそれが起こる確率とをかけ合わせ,出てきたものをすべて足しあわせたものが期待値です.例として,サイコロを振って,5か6がでれば300円がもらえ,それ以外の目がでれば100円がもらえるゲームがあったとすると,サイコロを1回振ったときの期待値は次のようになります.
E=300×(2/6)+100×(4/6)
続いてリスクの説明もしました.経済学の世界で言うリスクは,世間で使われているリスクの意味とは少し違います.リスクとは,起こる結果のばらつきの大きさのことを指します.正確に言えば分散(あるいは標準偏差)のことですが,わからなくても大丈夫です.
そのため,良いことが起こるかどうか,悪いことが起こるかどうかがリスクではないのです.
最後に株を買うメリットを考えました.株についてあまり知識がないと,「株を買うのは,安く買って高く売り,差額で儲けるためだ」と考えてしまうのではないでしょうか.この売買による儲けはキャピタル・ゲインと呼びます.しかし株を買うメリットはそれだけではありません.それに加えて,株を保有していると配当が得られます.この儲けをインカム・ゲインと呼びます.配当はそれほど大きな金額ではありませんが,長い目でみれば大きな金額になりますし,株価を予想する上でも重要です.
続きはまた来週です.
経済数学入門 第5回(11/1)
今回は指数の続きと,微分の説明をしました.
【授業の内容】
まず,前回の続きとして,指数によるn乗根の表現を説明しました.ルートを使ったままよりも,指数の形に変換した方がなにかと便利です.なんといっても指数法則がすべて利用できるのです.指数が分数の形になるn乗根と,指数がマイナスになる分数は,よく間違うところです.テスト前にはしっかり確認しましょう.
続いて,n進法(n進数)を説明しました.我々が通常,計算などに使っている数の数え方は10進法です.これは10種類の記号を使って数を表現する方法です.そのため,0~9まではその記号で表現できますが,それ以降の数字は記号1つで表現できないため,位を上げるという工夫がなされています.
この「位上げ」という工夫のおかげで,572というたった3つ数字で,100が5つ,10が7つ,1が2つあるんだということを表現できます.10進法の位は10が基準となっています.位が1つ上がると単位は10倍になります.つまり,先程の例では100は10の2乗,10は10の1乗,1は10の0乗です.
これらを2進法に応用してみると,2進法は2種類の記号を使い,位が1つ上げる毎に単位が2倍になる表記方法であると想像できます.授業では,n進法を10進法に変換する方法と,10進法をn進法に変換する方法を説明しました.このn進法は経済学では使いませんが,就活の筆記試験では出ることがあるようです.
さて,後半は微分の説明ですが,今回はその意味までは説明できず,とりあえず微分のやり方だけ説明しました.基本的には,変数の右肩についている指数を前の係数にかけ(乗じて),指数から1を引くだけです.微分ができないと経済学では非常に不便なので,必ずできるようにしましょうね.
【中間試験】
経済数学入門の中間試験を以下のとおり行ないます.特別な事情があり事前に連絡があった場合を除き,中間試験を受験していない学生は期末試験の受験資格を失います.
日時:11月22日(月)第8回講義時間内
範囲:第1~7回講義の内容
まずはこれまでに配布した課題をすべて解くところから始めましょう.問題のレベルは課題と同程度です.
評価における中間試験の取り扱いについては第1回の講義で説明した通りです.