2010年11月12日金曜日

経済数学入門 第6回(11/8)

 今回は,前回に引き続き微分です.非常に重要なところなので,必ず自分のものにしましょうね.

【授業の内容】
 微分の計算方法自体は前回説明しましたね.今回は微分の意味を活用方法を説明しました.この講義で,皆さんに最も理解して欲しいことは,「微分すると傾きが得られる」ことです.「微分」と聞いたら「傾き」,「傾き」と聞いたら「微分」が反射的に出てくるよう,頭に叩き込んでください.なぜなら,経済学では,利潤の最大化や費用の最小化などに関連して,傾き(つまり増加率)をよく利用するからです.

 なぜ最大化や最小化と傾きが関連しているかと言えば,最大化(や最小化)の点では,その関数の傾きが0となるからです(厳密に言うと関数の形状,変数の種類にもよりますが…).2次関数(縦軸:y,横軸:xとする)を例に取れば,2次関数は山型(上に凸)かU字型(下に凸)の形状をとりますが,その頂点や底はそれぞれ最大値や最小値を示しています.そのため,まずは2次関数のグラフをきちんと描けるようになりましょう.もちろん平方完成でも2次関数のグラフを描くことはできますが,平方完成は計算ミスが多いので,今後は微分を使いましょう.
 さて,その具体的なやり方ですが,2次関数を微分すると,放物線の傾きが出てきます.頂点や底は傾きが0となっているため,頂点や底が知りたければ,微分したものを0と置きましょう.すると頂点や底のx座標が出てきます.さらにそのxを元の2次関数に代入すれば頂点のy座標も得られます.ここで間違えて微分したものに代入してしまうと当然0になります.なぜなら,傾きが0になるようなxを求めたわけですから,傾きを示す微分の式に代入すれば0になるからです.

 このグラフを描く方法は,3次関数以降でも利用できます.ただし,3次以上の関数では傾きが0となる点が必ずしも最大値(や最小値)となるわけではないので,傾きが0の点を今後は極値と呼びます.
 来週は3次関数のグラフを描きます.そして,その翌週は中間テストです.きっちり準備しましょうね.

0 件のコメント: