2010年7月14日水曜日

経済学A 第14回(7/13)

 今回はこれまでに皆さんから受け付けた質問に答えました.

【授業の内容】
 いろいろ話そうと思って準備をしていたのですが,ほとんど価格の話ばかりになってしまいました.
 「ブランド品はなぜ高いのか?」,「ガソリンは高くなるだけで安くならないのか?」,「バナナは高い時期があるのか?」,「作りすぎた野菜を廃棄するニュースを見たことがあるけど,(出荷せず廃棄する)理由がわかりません」などなど,もっとも多かったのが価格に関する質問です.
 これらをまとめて考えるための道具として,ワルラス型価格調整メカニズムというものを紹介しました.ワルラスという経済学者は,生産者(企業)が商品の価格を設定し,その時,需要より供給の方が大きく売れ残り(超過供給)が発生すると,企業は値下げをし,逆に供給より需要の方が大きく品不足(超過需要)が発生すると企業は価格を上げると考えました.これを何度か繰り返すと,需要と供給が等しくなる点(均衡)が見つかると考えたのです.
 このように需要と供給のバランスで価格が決まるという考えは,以前にもダイヤモンドの価格の所で出てきましたね.

 また,ブランド品の価格に関連して,独占についても話をしました.独占市場と競争市場を比較し,どちらが価格が高くなるか,どちらがより儲けやすいか,などについて説明しました.独占市場であれば,ライバルがいないので,好きな値段をつけることができます.もしライバルが多い競争市場では,みんなが売っている値段より高い値段をつけると,消費者に見向きされないため,事実上,価格を自分で決めることはできず,周りの企業に合わせなければなりません.
 独占企業はこのような強みを活かし,商品の生産量を減らして,価格をつり上げます.それにより高い利潤が得られるのです.授業では話せませんでしたが,なぜ独占市場と競争市場があるのでしょう?それについてもまた機会があれば考えてみてください.
 皆さんも就職活動の際には,この企業が販売している商品の市場は競争的か,独占的か,という視点をちょっと意識してみてください.なんらかの役に立つかもしれませんよ.

 さて,授業の最後に「テストは持ち込みありか,なしか」についてアンケートをとりました.持ち込みありだと,少し考えなければならない問題が多めなのに対して,持ち込みなしなら暗記中心の問題多めです.アンケートの結果は,わずか2票差で持ち込みありになりました.また来週の授業で説明します.

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