2010年5月29日土曜日

経済学A 第6回

 ちょっと締め切りのある仕事をしていたため、丸々2週間もほったらかしにしてました。ごめんなさい。
 今回は年金について説明しました。

【授業の内容】
 みなさんにとって「年金はずいぶん先のもの」という印象なのではないでしょうか。しかし、国民年金は20歳になれば強制的に加入することになるため、年金保険料を支払う義務がでてきます。また、おじいさんやおばあさんがもらっている年金は、老齢年金と呼ばれるもので、国民年金の一種です。言い換えれば、国民年金は、老齢年金以外の年金もあります。それが障害年金や遺族基礎年金です。そのため(縁がないほうがもちろん良いのですが)比較的早く年金を受給する可能性はあります。

 さて、年金は、国の社会保障制度の一貫です。社会保障とは何でしょう?平安時代には(おそらく)公的な社会保障制度はなかったと思います。ある人が年を取ったり、怪我をしたりして働けなくなってしまったすると、その人の家族、あるいは近所の人たちが助けてくれたのでしょう。当時はそうでなければ人が生きていくのは困難だったので、自然と共同体の結びつきは強かったのだと思います。現在の社会保障制度とは、そのような助け合いを全国規模で行うものだとイメージすると良いでしょう。みんなで税、あるいは保険料を負担し、そのお金で困っている人を助ける仕組みが社会保障です。年金以外にも、生活保護、健康保険、児童福祉、災害援助、介護保険、労働災害保険など様々な社会保障があります。

 その中の年金ですが、ここ10年ぐらい、よく問題になっていますね。年金システムのどこに問題があるのでしょう?それを理解するために、年金の積み立て方式と賦課方式それぞれの仕組みを簡単に説明しました。日本の年金制度は、インフレにより受給する金額が価値を失ってしまわないよう積み立て方式ではなく賦課方式を(実質的に)採っています。しかし賦課方式は少子高齢化に対応していません。現在の年金制度ができた頃には出生率も高く、まさかこれほどまでに急速に少子高齢化が進むとは、誰も想像していなかったのでしょう。

 年金がややこしい理由の1つは、様々な年金があることです。年金は2階建てになっており、国民みんなが共通して加入する1階部分の国民基礎年金と、職業によって加入する年金に違いがある2階部分があります。2階部分では、会社員は厚生年金、公務員は共済年金、自営業者は国民年金基金といった具合に職業によって様々です。

 さて、このような年金システムですが、加入するのもしないのも自由です。と言いたいところですが、年々徴収体制が厳しくなっているので、そのうち入りたくなくても給料を差し押さえられるかもしれませんし、そもそも年金保険料自体がなくなって、すべて税金でまかなうようになるかもしれません。
 僕から勧めておきたいのは、卒業後は自分で考えるとして、20歳になったらとりあえず在学中は学生納付特例制度を利用することです。すでに年金を支払うと決めている人はそれで良いですが、払いたくない、もしくは迷っているという人も学生納付特例制度だけは申込みましょう。理由は講義で話した通りです。

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