2011年11月11日金曜日

ミクロ経済学ベイシックⅡ 第5回(10/26)

今回も独占市場です.完全独占と複占の話をしました.

【授業の内容】
 完全独占の続きから始めました.完全独占市場における企業は,利潤を最大にするため,限界収入と限界費用が等しくなるように生産量を決定します.完全競争市場における社会的余剰と,完全独占市場における社会的余剰を比較すれば,なぜ完全独占が望ましくないのかがわかります.つまり死荷重が発生しているのです.
 完全競争市場と比較すると,完全独占市場では生産量が少なくなり,価格は高くなります.そのため消費者にとっては良い状況ではありません.ここで政府が課税をするとどうなるでしょう.授業では従量税(生産量に応じて課税する)を課すとどうなるかを確認しました.ちなみに従量税は次の例ように表記されます(財1単位あたり20の課税をするとする).
 課税前の総費用関数: TC=x^2+10x+100 (^2は二乗を示す)
 課税後の総費用関数: TC=x^2+10x+100+20x
 赤字で表現した部分が課税によるコストの増加を示しています.

 完全独占市場に続いて複占について説明しました.複占とは売り手が2社のみである市場のことです.
 ここでゲーム理論について復習しましょう.ゲーム理論では,プレイヤーが同時に行動(戦略)を決定するゲームを同時手番ゲームと呼びます.以前の授業で,同時手番ゲームの解法としてナッシュ均衡を説明しました.これは,各プレイヤーの選ぶ戦略が他のプレイヤーの戦略に対する最適反応である状況のことでした.
 複占市場に分析にはこのゲーム理論の考えを使います.複占市場が同時手番ゲームであるとして生産量を決める状況でナッシュ均衡を導き出します.この場合のナッシュ均衡を特にクールノー均衡(あるいはクールノー=ナッシュ均衡)と呼びます.

 複占における最適反応を導くためには偏微分の知識が必要です.そのため,経済数学入門でもやりましたが偏微分を復習しました.

 複占の計算の途中で終わったので,複占については次回のブログに書きます.

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