2011年11月26日土曜日

経済学A 第8回(11/15)

今回と次回は株式を含めた資産運用の基礎について説明します.とはいえ,今回は僕が説明した内容がどのように株とつながるのかわかりにくかったかもしれませんね.


【授業の内容】
 まず,今のお金と未来のお金の関係を考えました.時間がずれるとお金をどのように評価して良いのかわからなくなりそうですね.しかし,利子率で考えてみるとはっきりわかるようになります.
 今現在の100万円は銀行などに預けておけば未来(例えば1年後)には増えますね.それを105万円であるとすれば,現在の100万円と1年後の105万円が同じ価値ということになりますね.現在の100万円が未来になるに従って増えていくというのはみんなイメージしやすいでしょう.でもその逆はなかなか考えた機会はないでしょうね.現在の100万円と1年後の105万円が同じ価値なら,1年後の105万円の現在の価値は100万円ということになりますね.つまり未来のお金を現在の価値に直す場合は,少し減ってしまうのです.これを割引現在価値と呼びます.利子をつける,そして割り引く,それぞれの計算をしてみましたね.
 続いて,期待値の説明をしました.期待値は未来の平均値と考えるとよいでしょうね.確率的にどれぐらいの結果になるのかを計算したものです.計算方法は,結果とそれが起こる確率をかけ合わせたものを,すべての結果について足しあわせたものです.例としてサイコロを1回振った時に出る目の期待値は,1×(1/6)+2×(1/6)+…+6×(1/6)=7/2=3.5となります.
 さらにリスクの説明をしました.リスクとは,皆さんがイメージする「危険」とはあまり関係ありません.正確には結果のばらつきの大きさのことです.統計学の言葉で言えば「分散」あるいは「標準偏差」の大きさのことです.
 この期待値とリスクは次回の内容に大きく関わってきます.

 最後にリスクへの対処を説明しました.
 リスクへの対処の王道は「卵は分けて持て」.つまり資産を分散させることです.皆さんがすべての資産をある1種類の株に投資すると,その企業に不祥事やトラブルが発生して倒産の危機が訪れたら,皆さんは無一文になってしまうかもしれません.そのため,その企業の株価が下落したら,逆に株価が上昇する企業の株も持つべきでしょう.これをリスクヘッジと呼びます.

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