2009年9月17日木曜日

ミクロ経済学ベイシックⅡ 第1回

 後期のミクロは不完全競争市場について学びます.不完全競争市場というのは,(誤解を恐れずに言うと)現実の世界です.前期の理想的な完全競争市場に比べて,現実の世界はどこが違うのか,なぜ社会的に望ましい状態でないのか,について学んでいきます.

【授業の内容】
 まず前期の内容を復習しました.完全競争市場についてきちんと理解していないと,今,何を学んでいるのかわからないと思ったからです.
 後期は完全競争市場の5つの条件をどんどん崩していきます.まず最初の山場として,独占市場を学びます.独占市場とは市場に売り手(あるいは買い手)が少数しかいない場合です.売り手が少ないと財の価格は高くなります.しかし売り手の数が増えてくれば(企業にライバルが増えてくると)財の価格はどんどん下がってきます.例として,マイクロソフトのOSとOffice,それぞれの価格を挙げました.有力なライバルがいない前者はいまだに高い価格をつけていますが,安価な(あるいは無料の)ライバルが出てきた後者は,ついにタダになってしまいましたね.

 さて,初回からあんまり堅い話ばかりもどうかと思ったので,細かいルールや厳密な定義は無視して,とりあえず次回のテーマであるゲーム理論の簡単な例をちょっとだけ紹介しました.有名な「囚人のジレンマ」ゲームです.合理的な考えかたというのが理解できましたか?ゲーム理論を難しいと感じる人のほとんどは利得表の見方をしっかり理解していないのだと思います.利得表の見方を次回の講義までに復習しておきましょう.

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