2010年1月25日月曜日

ミクロ経済学ベイシックⅡ 第14回

 今回はミクロ貿易理論のつづきでした.

【授業の内容】
 年をまたいだので,前回のリカードの比較生産費説を少し復習しました.この理論によれば,どんな国も貿易することにより豊かになることがわかりました(厳密には,あらゆる財の生産効率の相対比が同じであるというレアなケースを除く).

 さて,では貿易の利点をある小国を想定して図で理解しました.ここでいう小国とは,経済学でしばしば出てくる「小国の仮定」が意味する小国です.つまり,経済規模が非常に小さいため,その国の需要や供給が世界市場にまったく影響を与えないことを示します.この仮定を置くと,話が単純になるので,よく用いられます.
 まず,ある国の生産可能性フロンティア,および世界市場での相対価格を図で表現し,どの財をどれだけ輸出するか,輸入するかを理解しました.この図は,貿易三角形と呼ばれます.
 続いて,今度は,自由貿易の余剰分析を行いました.鎖国状態(閉鎖経済)と比べ,自由貿易(開放経済)を行うと,どれだけ社会的余剰が増えるのかを図で確認しました.また,自由貿易ではなく,輸入関税を課した場合に何が起こるかも確認しました.関税を導入すると,自由貿易時と比べ,社会的余剰が減少することがわかりました.
 なお,この内容を計算問題にしたものを練習問題として配りました.

0 件のコメント: