2008年1月15日火曜日

経済学A 第15回

 今日は以前のアンケートで学生から要望のあった経済史について講義しました.ただし,僕にとって経済学の中でも経済史はもっとも縁遠い分野なので,準備には手こずりました….

【授業の内容】
 レジュメのサブタイトルは「人類の爆発的増殖と豊かさ」にしました.経済史といってもその範囲は広いので,経済史の中でも人口と豊かさに焦点を絞りました.爆発的増殖というとネズミやバイ菌みたいですが,我々人類の増加率は爆発的増殖といっても過言ではないでしょう.配布した資料には超長期に渡る人口の推移のグラフがありましたが,1500年以降の人口はまさに爆発的に増加しています.
 また世界全体の1人あたりGDPの超長期的推移をみると19Cあたりを境として,こちらも爆発的に増加しています.ここでは何が起きたのでしょうか?

 日本で言うと縄文時代や弥生時代は取り立てて変化もないので,時代を進めて15Cから話を始めました.以後,時系列に出来事を説明すると共に,それらの出来事がこれまで経済学Aの講義で説明したどの内容とリンクしているかを説明しました.
 まず15C-18Cの重商主義を説明しましたが,ここでは第7回の「貿易」と大きく関連があります.貿易差額主義の帰結をリカードの比較生産費説から説明しました.次の産業革命は上述の1人あたりGDPの急増と関連がありそうです.ここでは資本蓄積の話をしました.さらにマルサスの人口論についても説明をしました.
 18Cには経済学も誕生しました.現在で言うところの古典派経済学がアダム・スミスらによって形成されます.19Cには,マルクスとエンゲルスによる「共産党宣言」が発表され,この共産主義熱の高まりは1922年のソ連成立へとつながっていきます.
 20C初頭には世界大恐慌とケインズ革命が起こります.これまでの経済学を“古典派”,つまり過去のものにしてしまう革命が起こります.ケインズ派経済学については第3回の「マクロ経済学」の所で説明しました.
 これ以後のトピックは個人的な趣味に走っていますので説明は省略しますが,緑の革命,東アジアの奇跡,ソビエト崩壊,グローバル化の進展と説明しました.

重要】テストについて
 テストは筆記試験で行います.持ち込みはA4用紙1枚に限り認めます.ただし自筆のみ可です.友人のまとめた資料をコピーしたりしてはいけません.

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