2010年9月18日土曜日

ミクロ経済学ベイシックⅡ 第1回(9/15)

 後期開始一発目がミクロでした.前期試験の難しさで,多くの学生が敬遠するかとも思ったのですが,あんまり変わっていないようでしたね.

【授業の内容】
 今回は,前期と後期の違い(完全競争市場と不完全競争市場)を説明した後,ゲーム理論の基礎を説明しました.

 前期のベイシックⅠでは一貫して完全競争市場を舞台に家計や企業といったプレイヤーがどのように行動するのかを学びましたが,後期ではその前提となった完全競争市場の条件を崩します.言い換えれば,非現実的な仮定の話ではなく,より現実的なシチュエーションにおける各プレイヤーの行動を理解していきます.
 例えば,前期においては「多数の売り手と買い手」を想定していましたが,現実では必ずしも多数の売り手が存在するとは限りません.皆さんがパソコンのOSを選ぼうと思えば,ほぼ自動的にMicrosoftのOSを選ぶことになっているのではないでしょうか.また家庭で電力会社と解約しようと思うと,その地域の電力会社以外に選択肢はないと言ってよいでしょう(四国内から四国電力ですね).前期で想定した多数の売り手のケースと,売り手が少数しかいない(あるいは1社のみの)ケースではどのように違うのでしょう?また我々買い手にとってはどちらが良いのでしょう?企業にとっては?社会全体にとっては?

 ベイシックⅡの前半部分は主にこのような独占について多くの時間を割く予定です.独占のうち,2社が市場を独占しているケースを特に,複占と呼びます.この場合,企業はライバル企業の行動に注目するはずです.相手の裏をかいて儲けるかもしれませんし,相手と手を結ぶのかもしれません.
 まずはこのような利害関係のある相手との駆け引きを学びましょう.それがゲーム理論です.授業ではゲーム理論の入門として,いくつかのゲームを実際にやってみます.今回はゲーム理論におけるゲームの中でも(たぶん)最も有名な囚人のジレンマゲームを行ないました.
 利得表の見方,ゲームの目的など,慣れないところもあるでしょうが,今回配った例題プリントを使って復習してみてください.例題を順に解くことで,次回に説明する「支配される戦略の逐次消去」という考え方が自然と身に付くと思います.

 今回の課題は,テキストのpp.150-154を読んでくることです.次回ランダムに当てて内容を聞くので,必ず読んでくるように!

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