2010年9月30日木曜日

ミクロ経済学ベイシックⅡ(9/29)

 今回でゲーム理論は終了です.混合戦略はなかなか難しかったでしょうね.

【授業の内容】
 まず前回の復習として(純粋戦略の)ナッシュ均衡を思い出してみました.「支配される戦略の逐次消去」よりパワフルなナッシュ均衡ですが,このナッシュ均衡でも解けないゲームもあるようです.そこで出てきたのが,混合戦略のナッシュ均衡です.混合戦略とは,複数の選択肢のうちからどれか1つだけを選ぶのではなく(これは純粋戦略),複数の選択肢を確率的に選ぶというものです.この考えを導入することであらゆる問題が解けるようになりました.
 授業ではテニスのサーブを例にしました.サーバーは左か右のどちらかに打つことができますが,レシーバーもそれを予想します.サーバーが左に打つならレシーバーは左に備えますし,右に打つなら右に備えます.サーバーは狙いを読まれては不利なので,相手の裏をかこうとします.結果としてサーバー,レシーバーともにどちらを狙えば良いかが確定しません.当たり前ですが,右ばかり狙っていれば相手に読まれますしね.
 というわけで,サーバーは左と右に両方にある割合で打つべきでしょう.その割合を導くため,まずは左と右,それぞれを選んだ時の期待値を計算し,左に打っても右に打っても期待値が同じになる水準を導きました.それによれば,相手がどれぐらいの割合で左,あるいは右に備えるかによって,どちらに打つべきかが変わってきます.また同じくレシーバーについても同様の計算をし,サーバー,レシーバーそれぞれの最適反応を見つけ出し,それらが重なる点(ナッシュ均衡)を計算しました.
 文章で書いてもやはりわかりづらいですね….

 続いては,ミニマックス戦略を説明しました.これまでの戦略が利得の最大化であったのに対し,ミニマックス戦略は被害の最小化を目的とする戦略と考えるとわかりやすいでしょう.最悪なケースが起きるものとして,その中で最もマシな戦略を選ぶというものです.これまでと考え方が違うので混乱するかもしれませんが,問題を解くことは非常に簡単でしたね.

 最後に,逐次手番ゲームを後ろ向き帰納法で解きました.逐次手番ゲームとは,ババ抜きや麻雀のように,あるプレイヤーが戦略を決定し,それを見てから次のプレイヤーが戦略を決定するゲームです.こちらでは,ゲームツリーを使って,最後に行動するプレイヤーの戦略から(後ろ向きに)決定していくことで,合理的に戦略を決定できます.

 今回は練習問題を用意していなかったので,次回配布しますね.

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