2010年10月1日金曜日

総合政策演習B1② 第3回

 今回は3種類の複占でした.

【授業の内容】
 まずゲーム理論の混合戦略ナッシュ均衡を解きました.ベイシックでもやりましたが,公務員試験に出てくるのは,このタイプの問題がゲーム理論で最も難しいところでしょう.純粋戦略と同じく,ナッシュ均衡なので,両プレイヤーの最適反応が交差する点が答えです.計算も,期待値を出して,連立方程式を解くだけなので,それほど難しくはありませんね.

 続いて,複占の問題を,クールノー,シュタッケルベルグ,共謀の3種のやり方で解きました.特徴をまとめると,
クールノー均衡
 両企業が同時に(同時手番)生産量を決定する.それにより価格が決まる.両企業は自社の利潤の最大化のみを目的としており,相手企業とは敵対的に行動する.共謀時に比べ生産量は多く,利潤は少ない.

シュタッケルベルグ均衡
 ある企業(先導者)が先に生産量を決定し,それを見たライバル企業(追随者)が生産量を決定する(逐次手番).先導者は,自社が行動した後の追随者の生産量を合理的に求め,それを織り込んだ上で自社の生産量を決定する(後ろ向き帰納法).条件が同じであれば先導者の方が追随者より利潤は多い.

共謀
 両企業が共謀し(協力ゲーム)両企業の利潤が最大となるように生産量を決定する.

 いずれの解法でもMR=MCに従って生産量を決定すること自体は同じです.

 公務員試験のミクロでは,おそらくここが最難関です.1つ1つの問題は理解出来ていると思いますが,しばらく復習しないとゴチャゴチャになってしまいますよ.

 次週は独占的競争と寡占です.

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