2008年9月22日月曜日

ミクロ経済学ベイシックⅡ 第2回

 前回に引き続き,ゲーム理論をやりました.

【授業の内容】
 前半は支配される戦略の逐次消去を繰り返しました.まずしっかりと利得表の見方を理解することが重要です.見方に慣れるまでわかりにくいと思いますが,しっかり復習しておきましょう.とにかく,相手がどんな戦略を選ぶとしても,自分の他の戦略と比べて劣っている戦略(これを支配される戦略と呼びます)を排除していきます.それを繰り返すことで,それぞれが選ぶ戦略が1つに絞られる場合があります.
 ただし,上手く行く場合もありますが,この解法では解けない場合も存在します.そんなゲームで力を発揮するのがナッシュ均衡という考え方です.

 ナッシュ均衡とは,「自分の選んだ戦略が相手の戦略に対する最適な反応であり,相手の戦略も自分の戦略に対する最適な反応になっている状況」のことです.ちょっと複雑ですね.誤解を恐れず簡単に言えば,互いに裏をかけない状況と言えるかもしれません.
 最後に,このナッシュ均衡の概念を利用して,ホテリング・ゲームと呼ばれる問題を解きました.答えがわかった人もちょこちょこいたようですね.なかなか鋭いです.

 さて,前回と今回,取りあげたゲームはすべて以下の条件を満たしたゲームです.改めて厳密にゲームを定義しました.
同時手番ゲーム:両者が同時に戦略を決定するゲーム,あるいは自分が戦略を決定するまで相手がどの戦略を選んだかわからない(逆も同様)のゲーム.(⇔逐次手番
非協力ゲーム:それぞれのプレイヤーは自身の利得を最大化することのみに関心がある.(⇔協力ゲーム)
完備情報ゲーム:互いに利得表について知っており,かつ相手が利得表を知っていることもわかっている.(⇔不完備情報ゲーム)
完全情報ゲーム:互いに過去にどの戦略を選んだかを知っている.(⇔不完全情報ゲーム)

 来週は,目的が利得の最大化ではないゲームや逐次手番ゲームを紹介します.また,どの戦略を選ぶかに確率を導入したゲームもやれればやります.

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