2007年7月3日火曜日

経済政策論 第13回

 今回は日本でも発売され始めたバイオ燃料(と地球温暖化)について,でした.

【授業の内容】
 まず,バイオ燃料に対する国の対策について発表してもらいました.1997年の京都議定書で,バイオ燃料の利用拡大が義務づけられており,2006年3月には「バイオマス日本総合戦略」が策定されています.どうやら日本としては本腰を入れてバイオ燃料の実用化を考えているようですね.
 そもそもバイオ燃料の材料は何か?ということですが,トウモロコシやその茎,サトウキビ,小麦,大麦,ひまわり,大豆,木材,雑草,米などたくさん出てきました.つまり植物ならなんでも良いのかもしれません.とすると当然,「雑草を使えば良いのでは?」と言う意見が出てくるでしょうね.

 さて,では「なぜバイオ燃料が環境によいのか?」学生に聞いたところ「カーボン・ニュートラル」であるから,ということでした.化石燃料は二酸化炭素を排出するだけなのに対して,バイオ燃料はその材料である植物が二酸化炭素を吸収し,その後燃焼され二酸化炭素を同じだけ排出するので環境負荷がないということでしたが,実際には燃料の製造過程で二酸化炭素が発生するために,環境負荷がない,とは言えないようでしたね.化石燃料との比較でどちらが環境に優しいかについては,今後の技術開発によるので,現在の時点で答えをだすのは早計かも知れません.
 しかし,自動車業界はこの新しい燃料の利用に対して積極的です.三菱,トヨタ,ホンダはすでにブラジルでバイオエタノールのみで走る車を発売しており,マツダも欧州でバイオディーゼル対応車を発売しているそうです.またホンダは雑草からバイオ燃料を生成する技術も開発するなど,どの企業も研究開発に余念がないんですね.

 結論として,「このバイオ燃料は果たして必要なのか?」を聞いてみると,学生の意見は綺麗に分かれました.いずれにせよバイオ燃料には現在の時点では環境問題を解決できるとは言えないが,将来性がないわけではない,という所のようですね.

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