2007年7月3日火曜日

経済学Ⅱ 第13回

 今回は独占市場について学びました.授業の内容には,前回学んだゲーム理論が反映されています.

【授業の内容】
 まず独占市場を説明する前に,これまで前提条件としながらあまり説明しなかった完全競争市場についてきっちりとした定義づけを行いました.また完全競争市場の条件を満たすと(つまり競争が熾烈な市場であると),企業の儲けがでないことを説明しました.では完全競争市場ではない場合なら利益が出るかも?ということで,完全競争市場ではない場合も対比しながら説明しました.完全競争市場にはいくつかの条件がありましたが,今回主に説明したのは,「売り手と買い手が多数いる」という条件が崩れた場合,中でも「売り手が少数の場合」である独占についてです.
 完全独占の場合,売り手は価格を自由に決定できます.そのため企業の利潤が最大になるように好きな価格設定を行いますが,競争的な市場であればそうはいきません.ある企業が財を,限界費用をはるかに上回る価格で売れば,ライバル企業はそれより少し低い価格で売ることでお客を独り占めできます.客を奪われた企業は対抗措置として価格を下げ始めるでしょうし,結果的に価格と限界費用がほぼ等しく,つまり利潤がほとんど出ないでしょう.
 このような独占市場の場合,価格がつり上げられるだけでなく,生産量も減少します.以前に学んだ余剰分析で考えると,独占が明らかに社会的余剰を減少させていることがわかります.
 さて,このような独占はなぜ生まれるのでしょうか?授業では大きく3つに分けて説明しました.
・資源独占
・政府による独占
・自然独占
 資源独占と自然独占は紛らわしいので要注意.名前が似てるからね.資源独占と自然独占はそうなってしまうから仕方ないにしても,特許や著作権という形で政府が独占を認めるのは,社会的余剰から見ると良くないことのように見えますが,実際にはそれなりに意義のあるんでしたよね.

 とはいえ,個人的には著作権,特許による保護期間はもっと短くすべきであると思います.なぜなら,子はともかく孫の生活まで見ることが創作意欲を増すとは思えないからです.

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