2010年12月11日土曜日

ミクロ経済学ベイシックⅡ 第12回(12/11)

 今回は費用逓減産業について説明しました.

【授業の内容】
 費用逓減産業とは,財の生産の増加に伴って平均総費用が低下するような産業です.このような形状の費用関数を持つ産業の特徴としては,初期投資として膨大な固定費用が必要であることがあります.例としては,電力業界やテレビ局などがあるでしょうね.またコンテンツ産業もそうだと思います.

 さて,資源配分の効率性について理想的な状況である完全競争市場では,企業は価格と限界費用が等しくなるように生産しました.今回の費用逓減産業でそのように生産すると何が起きるでしょう.限界費用よりも平均総費用の方が高いため,価格と限界費用が等しくなるように生産すると(限界費用価格形成原理),赤字が発生してしまいます.そのため,自立経営ができないので,政府から補助金をもらう必要があるかもしれませんね.
 この赤字の問題を解決するためには,価格と平均総費用が等しくなるように生産する(平均費用価格形成原理)必要があります.この場合赤字はなくなりますが,効率的な資源配分の場合と比べ,生産量が過小となり価格が過大になってしまいます.

 ちなみに限界費用価格形成原理でも赤字をなくす方法として二部料金制があります.携帯電話や電力などは,使用料に応じて加算される料金の他に,基本料金を設定する場合が多いようです.赤字を加入者の数で割り,それを基本料金とすれば赤字はなくなりますね.

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