2010年12月22日水曜日

経済数学入門 第12回(12/20)

 今回も数列です.等比数列を説明しました.

【授業の内容】
 今回説明したのは,3,6,12,24,48,・・・のように,ある数と次の数の比が一定になっている数列です.このような数列は,初項と公比(ある項は直前の項の何倍になっているか)で表現できます.この場合は初項a=3で公比r=2の等比数列と呼びます.このような数列の一般項はどのように表現できるでしょう.それを考えるため,上記の数列を次のように表現してみます.
a1=3
a2=6=3×2
a3=12=3×2×2
a4=24=3×2×2×2
 すると,このように,どの項も初項に公比を何回かけたかで表現できることがわかります.ここから予想するに,第50項は3に2を49回かけたものだろうとわかりますし,第n項(一般項)は初項に公比をn-1回かけたもの(つまり公比のn-1乗)であるとわかります.
 まとめとして一般項は次のようになります.
an=a×r^(n-1)
(注)r^(n-1)はrのn-1乗を示しています.
 このような等比数列は金利の計算に必要なので,金融を学ぶ上ではよく出てくるでしょう.

 後半は等比数列の和の導出です.授業では最後に説明しましたが,等比数列の和の計算はマクロ経済学においてはケインズの乗数効果の計算に出てきます.2年の前期の割と早い時期だと思います.
 さて,その等比数列の和の計算ですが,なぜそのようになるのかは,「こうすると上手く計算できるから」としか言えませんが,とりあえず手を動かして計算しました.やりかたは,まず,等比数列の和Snから,それに公比をかけたものr×Snを差し引きます.それによりほとんどの項が相殺されて消え,2つの項のみが残ります.そこからあとは一次方程式のように計算することで等比数列の和を導けました.公式として結論を覚えても問題ないのですが,それよりはやり方自体を覚えたほうが忘れにくいと思います.今回は有限の等比数列の計算でしたが無限数列にも応用できますしね.

 さて,そろそろこの講義も終わりに近づきました.期末試験対策をしっかりしておきましょうね.

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