2007年6月30日土曜日

ミクロ経済学ベイシックⅠ 第11回

 今回は余剰分析です.前期の講義は次で終わりで,その次(7/13)はテストです.間違えないようにね.

【授業の内容】
 前回に引き続き,右下がりの需要曲線と右上がりの供給曲線を使っての説明です.
 余剰分析の前提として,厚生経済学の第一基本定理があります.これは,財の価格と量が競争的な市場で決定されれば,社会的余剰が最大になる,というものです.逆に言えば,競争的ではない方法(独占や政府による介入など)で価格や取引量が決定されることは社会的に望ましくないことを示しています.
 余談ですが,競争的な市場(完全競争市場)とは何か,覚えていますか?条件がいくつかありましたよね.必ず覚えておきましょう.

 さて,その競争市場で価格が決定されないケースとして,まず価格統制を例に社会的余剰が減少する様子を確認しました.政府によりTシャツの値段が(競争的な市場で決まる価格より)低く設定されると,消費者余剰,生産者余剰がそれぞれどのように変化するか,またその結果として社会的余剰がどれだけ減少する(死荷重の発生)ことがわかりました.また,実際に需要曲線,供給曲線を具体的な直線の式で示し,余剰の値を計算しました.計算自体は大したことないので,皆さん問題なくできていた様子ですね.こういう問題は期末試験でおそらく出すので,きっちり解けるように.
 続いて,このTシャツに政府が課税(従量税)した場合の社会的余剰についても図で確認しました.先ほどの例との違いは,政府による税収が発生するのですが,税収は社会的余剰に含める,という点です.ちなみに消費税のような従価税の場合はどうなるでしょう?図で考えてみて下さい.
 最後に数量制限について簡単に説明しました.

告知
 期間外にテストをするので講義時間が1回減るので,代わりに質問の時間を設けます.近いうちにポータルサイト及びこのブログ上でお知らせします.

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