2007年9月28日金曜日

ミクロ経済学ベイシックⅡ 第3回

 今回もゲーム理論でした.反応がないので割とペースが速かったかもしれません.課題を出し忘れた人は次回必ず持ってきましょう.来週忘れたら知りません.

【授業の内容】
 まず,ミニ・マックス戦略というゲームの解き方を説明しました.それぞれの戦略を選んだ場合に起こる最悪な事態を想定し,その中で一番マシな戦略を選ぶという随分悲観的な戦略でした.被害を最小化するというのが目的であるため,前回学んだナッシュ均衡とは答え(各プレーヤーが選ぶ戦略)が異なる場合があります.
 次に,混合戦略を用いたナッシュ均衡を説明しました.これまでのゲームではプレーヤーは必ずどれか1つの戦略を選ぶという,純粋戦略という条件の下で話を進めてきましたが,ここでは各戦略の選択に確率を導入して最適な戦略を考えます.問題の解き方は,各戦略の期待値を計算し,ある戦略がもっとも望ましいのはどういう条件の場合かを明らかにします.それにより,相手の戦略に対する最適反応が得られます.お互いの最適反応が交差するところが答えとなりますが,この考え方は正に前回学んだナッシュ均衡そのものです.ナッシュ均衡という考え方は今後,複占を学ぶ上で重要ですので,必ず確認しておきましょう.
 最後に,時間は短くなりましたが,逐次手番ゲームも説明しました.逐次手番ゲームとはトランプのババ抜きや麻雀のように,各プレイヤーが順に行動するゲームです.1万円配分ゲームを通じて逐次手番ゲームではどのように行動すべきか考えてもらいました.答えとしては,最後に戦略を選ぶプレーヤーの行動をまず予想し,その直前のプレーヤーの行動を分析し,と後ろから順に予想していきます.すると最初に行動するプレーヤーの最適な戦略も見えてきます.このような解き方を後ろ向き帰納法(Backward Induction)と呼びます.相手に対する報復,それを予想した行動,というのは現実の企業活動でもありえそうですね.

【課題】
 テキストの独占の部分を読んでくること.ちなみに前回の以下の課題はまだ誰も提出していません.引き続き募集中です.

「支配される戦略の逐次消去」もしくは「ナッシュ均衡」で解が出せる問題を書いて,答えも出して下さい.きちんとストーリーをつけて下さいね.

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