2010年4月19日月曜日

ミクロ経済学ベイシックⅠ 第3回(4/16)

 今回は前回に引き続き価格理論を説明し,その後,少しだけ消費者理論に入りました.

【授業の内容】
 まず前回の復習を兼ねて,ワルラス型メカニズムとマーシャル型メカニズムを具体的な数値例を用いて計算しました.需要曲線と供給曲線の使い方は今後も基礎となってくるので確実にできるようにしましょう.
 続いて,クモの巣理論を説明しました.ワルラス型とマーシャル型では,財の価格は均衡に向かって安定的に収束することが確認できましたが(実は例外もあるのですが非現実的なのでここでは省略します),現在のキャベツの価格のように不安定な財の分析には適していません.キャベツのように価格の変動が激しい財にはどのような特徴があるのでしょうか.おそらく,「生産までに時間がかかる」と「保存が効かない」というのが条件になるのでしょう.クモの巣理論はこの2つの条件を備えた財の分析に用いられます.授業では図を用いて,価格が激しく上下する様子を説明しました.

 後半は少しだけ消費者理論を説明しました.そこではいくつかの新しい言葉が出てきましたね.確認しましょう.
効用:財を消費して得られる幸せのこと.
限界効用:新たに1単位消費を増加することで追加的に得られる効用のこと.
 この効用と限界効用のグラフを描いてみましたね.そこから,ほとんどの場合,限界効用は徐々に減少することがわかりました.これを限界効用逓減の法則と呼んでいます.わかりやすく言うと,消費を増やしてくとどんどん飽きていくことです.喉が乾いた状態で水を少しだけ飲むと非常に美味しく感じますが,どんどん飲む量を増やしていくと満足してくるため,そのうち飲みたくなくなりますね.
 さて,来週はこれまで当たり前のように使ってきた右下がりの需要曲線をいくつかのやり方で導出してみます.

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