2010年10月22日金曜日

経済学A 第5回(10/19)

 今回は名目値と実質値について説明しました.名目値と実質値の違いは短期的にみるとそれほど重要ではありませんが,皆さんの人生のように長期的な視点でお金のことを考えるためには,非常に重要です.目先のお金に騙されず,その本当の値打ちを考えてみましょう.

【授業の内容】
 まず事前準備として物価の話をしました.「物価」は世間でよく使われる言葉ですが,果たして物価とはなんでしょう?最近野菜の値段は高いようですが,服や家電はどんどん値下がりしているような気がします.このような状況はインフレ(物価が持続的に上がること)なのでしょうか,それともデフレ(物価が持続的に下がること)なのでしょうか.
 物価を計る目安はいくつかありますが,今回は特にCPI(消費者物価指数)を詳しく説明しました.CPIは平均的な家計が一定水準の生活を続けていく上で必要となるお金の変化に着目したものです.つまり野菜が値上がりしたから物価上昇とか,家電が下がったからデフレとかいうものではなく,様々な財の総体的な価格を使って計算したものです.総務省のCPIのサイトから,どのような品目の価格を計算に用いているかがわかります.実に様々な財の価格を調べているようですね.
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000001015979&cycode=0

 さて,この物価ですが,皆さんはあまり意識したことがないかもしれませんが,長期的に見てみるとずいぶん変動しており,特にインフレ傾向があることがわかります.物価が上昇すると,同じお金で買うことができる量が少なくなります.このような物価の変動に着目した視点が名目値と実質値です.授業ではその例として,名目所得と実質所得,名目GDPと実質GDPの簡単な計算をしてみました.我々が普段の生活で目にするのは名目値ばかりですが,名目値と同時に実質値のことも意識してみると,働き出してからの資産運用で騙されにくくなるはずです.
 今後はこの名目値と実質値の概念を使って,年金や資産運用の話もするつもりです.

 また今回は携帯電話を使ったアンケートをしました.結果は次回の授業でお知らせします.

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