2010年10月22日金曜日

総合政策演習B1 第6回(10/20)

 今回は余剰分析と,エッジワース・ボックスについてでした.

【授業の内容】
 余剰分析も3回目ですが,今回は貿易の余剰を分析しました.学部の経済学で学ぶミクロ貿易理論では「小国の仮定」という前提条件に基づいて考えることがほとんどです.
 小国の仮定とは,その国の経済規模が世界市場から見ると非常に小さく,その国の需要や供給の変動が世界市場に及ぼす影響がないという仮定です.そのため,余剰分析では,ある国は財を同じ価格でいくらでも輸入することが可能です.もしこれが大国であれば,その国の需要が大きくなれば世界市場における需要も高まり,結果としてその財の世界市場での価格も上がるはずです.しかしそこまで考えるとやや煩雑になるので,話をシンプルにするため小国の仮定を置いています.

 演習として,閉鎖経済の場合,自由な貿易が可能な場合と,輸入品に関税をかけた場合の3つのパターンを比較しました.自由な貿易の場合が最も社会的余剰が大きく,関税ありの場合,閉鎖経済の場合と続きます.

 後半はエッジワース・ボックスでした.エッジワース・ボックスの見方を確認した後,パレート改善とパレート最適が図でどのように表現されるか,また相対価格の変化についても復習しました.最後の相対価格の変化がちょっとわかりにくいと思うので,次週改めて説明します.

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