2009年12月2日水曜日

ミクロ経済学ベイシックⅡ 第11回

 今回から,リスクと不確実性です.本題は次回なのですが,今回は必要な知識の確認として,期待値,リスク,不確実性などの説明をしました.

【授業の内容】
 我々の生活は様々なリスクや不確実性に囲まれています.リスクとは,期待値とは,不確実性とは?それらの定義をきちんと確認しました.

 まず期待値ですが,期待値と平均値は紛らわしいですが別物です.平均値とは,すでに起こった事象についての平均をとったものです.例えば国民所得の平均値は,国民が受け取った所得の平均ですよね.最新のものであっても,過去の値です.
 対して期待値は,まだ起きていない事象の確率的な予測値と言えます.これから起こりうる事象と,その事象が起きる確率がわかっている場合に計算することができます.計算は簡単だし,経済数学入門でもやったので,みんな大丈夫ですよね?

 続いてリスクですが,日常で使う意味とは違うので要注意です.リスクとは,危険性のことではなく,結果のばらつきの大きさのことです.確率・統計の知識がある人には,分散(あるいは標準偏差)の大きさのことだと言えばわかりやすいでしょう.
 またリスクヘッジの方法についても少し説明しました.

 最後に不確実性についてですが,不確実性とは,何が起こりうるのか,またどんな確率で起こるのかもわからないことです.例えば,「あなたは将来,50代の10年間でどんな病気にかかると思いますか?」という設問は僕にとって不確実性です.病気に関する知識が少ないので,どんな病気にかかるのか,またその確率はどれぐらいなのかがまったくわかりません.ただしお医者さん,あるいは病気に関する知識が豊富な人にとっては不確実性というよりリスクに近いのでしょうね.

 おまけとしてモンティーホール問題を紹介しました.僕の説明で十分に納得できなかった人は,Wikipediaを参考にどうぞ.
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BB%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%AB%E5%95%8F%E9%A1%8C

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