2008年7月11日金曜日

開発経済学 第14回

 今回で最後の講義でした.主な受講生が3年生ということもあり,最後は「途上国開発という仕事」を紹介しました.

【授業の内容】
 これまで半期に渡って説明してきた開発経済学ですが,途上国開発(貧困削減)を仕事にしている人たちもいます.それは公務員系(国際,国家,独立行政法人),NGO,民間企業(開発コンサルタント,CSR業務)の3つに分類できます.
 それぞれの立場により,メリット,デメリットは様々です.NGOは現場に近く,自分の希望する分野で働くことができそうですが,あまり収入が期待できません.半数以上の職員が年収300万円以下だそうですし,「やりたいことがやれれば収入はいらない」という人,あるいはリタイヤ後などでなければ難しいでしょう.また民間企業のようなエントリー→選考というパターンより,インターンシップやボランティア経由で職員になるケースが多いようです.
 公務員系は,国連関係機関で働く国際公務員,外務省(国家公務員),JICAやJETROといった独立行政法人があります.これらのメリットはやはり安定した給与が得られることでしょう.しかしその分だけハードルも厳しいです.国連で働くには最低でも修士号が必要でしょうし,外務省を目指すのなら最低でも2~3年間はみっちり勉強が必要でしょう.
 最後に民間企業ですが,開発コンサルタントは院卒が多いものの学部生のエントリーも受け付けているようです.また一般企業のCSRとしての貧困削減プロジェクトですが,その企業に入社できたとしても,希望通りの部署に入れる保障はありません.営業と違ってCSRの部署で働くのはほんの一握りですので,それを目指して就活するというのは現実的ではないでしょう.

 この他,貧困削減に関係した,いくつかのイベント,インターンシップなどを紹介しました.まだ開発経済学を担当して2年目ですが,この講義を機にこれらの業界を目指すような学生が出てくれればありがたいものです.

【レポートについて】
 不完全なまま提出しているレポートが予想以上に目につきます.場合によっては再レポートも考えていたのですが,ちょっと考え直すかも知れません.

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