2009年7月4日土曜日

ミクロ経済学ベイシックⅠ 第12回

 前回に引き続き余剰分析です.

【授業の内容】
 今回は課税をした場合と,補助金を与えた場合について説明しました.

 まずは税金を3つに分類しました.従量税,従価税,固定税です.従量税とは,酒税やタバコ税のように,量に応じて税金が決まるものです.つまり1単位あたりいくらの税額が課せられています.今回はこの従量税が課せられた場合の余剰について説明し巻いた.次に,従価税は,価格に応じて税金が決まります.例としては消費税があります.消費税は価格の5%が税金であり(厳密に言うと消費税と地方消費税が合わせて5%なのですが),何個売買したかは関係ありません.最後に固定税ですが,コレは経済活動の規模に関係なく,個人や法人などに一定期間にいくらの税金を課すものです.具体的には現在の日本では何かあるんですかね…?公務員試験ではたまに出てくるようですが,古代ローマ,中国では人頭税があったようですが,それらも現在はなくなっていますしね.
 さて,この従量税ですが,生産者の供給曲線を上方にシフトさせます.供給曲線は限界費用なのですが,従量税は生産にかかる費用を増加させるため,この限界費用を増やすことに他なりません.そのため,需要曲線に変化がない場合,供給曲線のシフトアップは価格の上昇と生産量の減少を招きます.また税収が発生しますが(税収は社会的余剰に含まれる),課税前と比べると社会的余剰は減少することになります(死荷重が発生する).

 後半は補助金を与える場合を考えました.その中でも,ある財を政府が高く買い付け,安く売るケースです.こうすることで生産者余剰,消費者余剰ともに増加しますが,政府は補助金を出すことになり(マイナスの税とも考えられるので,補助金は社会的余剰から差し引かなければならない),トータルでは社会的余剰は減少します.
 さて,この補助金のケースの死荷重は,図ではどのように表現されるかは説明しませんでした.各自で考えてくださいね.

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