2009年7月25日土曜日

開発経済学 第15回

 今回で最後です.3年生が多いので「貧困開発という仕事」というテーマで,開発に携わるにはどのような仕事があるかを紹介しました.

【授業の内容】
 大きく分けると次のような職業があります.
・国際公務員
・国家公務員および独立行政法人
・NGO, NPO
・開発コンサルタント
・民間企業(CSR業務)

 国際公務員と開発コンサルタントは4大卒の新卒ではまず無理でしょう.前者は修士号以上が必要となりますし,後者は即戦力が求められるので中途採用ばかりです.
 国家公務員は主に外務省です(他の省庁からの出向も多いようですが).独立行政法人としては,JICA,JETROがあります.どちらも採用人数が少ない割に(30名前後?),どうしても入りたいという希望者は比較的多いので,倍率は高くなります.

 NGOやNPOは数も多く,比較的入りやすいかもしれませんが,デメリットとして,雇用が不安定で収入も比較的低いことが挙げられます.特に日本のNGOは「NGOはボランティア」という見られるためか,どうしてもプロのNGOとしてきちんとした所得を得ることに抵抗があるのかもしれません.

 最後に民間企業のCSR業務ですが,企業で大規模なCSRをやっているところは大企業が多く,収入も安定していると思いますが,当然ながらCSRそのものは本業ではないため,その企業に入ったとしても必ずしもCSRに携われるとは限りません.むしろ確率はかなり低いでしょう.

 このようにどれを選ぶのも簡単ではありません.軽い気持ちではなかなかこの世界には進むことができません.ですが,それでも「どうしても開発に関わりたい」という強い気持ちがあれば道は開けてくると思います.

 さて,レポート題材の最後の選択肢は「NGOの役割と限界」です.これも一般論だけでなく具体例を交えると良いでしょう.

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