2009年11月18日水曜日

経済学A 第8回

 今回は株についての続きです.

【授業の内容】
 前回,現在割引価値という考え方,そしてその計算方法を学びました.今回はそれを使って,株価の分析方法の1つであるファンダメンタル分析について説明をしました.ファンダメンタル分析とは,ある企業の株価は,その株を持ち続けることによって将来得られる配当の現在価値の合計である,というものです.この考え方によれば,将来,利潤が増えて,結果として配当が増える企業の株価は高いと推測できます.逆に不祥事により企業の存続も危うい企業の株価は非常に低くなるでしょう.
 ファンダメンタル分析に関連して配当について説明しましたが,そもそも我々個人投資家が株を買う目的は次の2つに大別できます.
インカムゲイン:受け取る配当のこと(株主優待を含む)
キャピタルゲイン:株価の売買による儲けのこと

 株価の主な分析方法はもう1つあります.それがテクニカル分析です.テクニカル分析とは,それまでの株価の推移や取引量から,今後の株価を予測するものです.メリットとしては初心者にとって取っつきやすいことがあります.しかしデメリットは,確たる根拠がないことです.「今までこういうことが多かった」という経験則を基とした分析なので,これまで起きたことが将来も同じように続くのであればテクニカル分析も役立つかもしれませんが,株取引のプレイヤーである人間は過去を学んで行動を変化させていくので,必ずしも過去の経験が今後も使えるとは言えないでしょう.またテクニカル分析では,過去になかったことは予想できない,という欠点もありますね.
 どちらが良いかは皆さん自身で判断してください.

 続いて効率的市場仮説について説明しました.効率的市場仮説とは,「ある時点における株価は,その株式に関する様々な情報を織り込んでいる」というものです.そのため,誰もが知っている情報は,今後の株価の予測にまったく使えない,というものです.逆に誰もが知らない重要なニュースが発表されれば株価は大きく変動します.

 さて,このように株価の分析方法を学んできましたが,「やっぱり株は怖い」と思う人もいるでしょう.リスクがあり,銀行預金と違って損をする可能性がありますからね.しかし,買い方によっては,リスクを小さくすることが可能です.そのようなリスクヘッジの説明も少ししました.重要な大原則は「卵は分けて持て」,つまりリスクを減らす基本であり究極は分散投資です!

 あとは細かい株の話をいくつかしました.話したいことはもっとあったのですが,時間の制約もあり,できませんでした.
 株に興味が出てきた人は,次の「野村證券のバーチャル株式投資倶楽部」をオススメします.架空の100万円を,実際の株式で運用するものです.習うより慣れよで,身に付くこともあると思いますよ.
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