2009年11月28日土曜日

経済学A 第9回

 今回は一部の学科がインフルエンザで学級閉鎖(大学でも学級閉鎖っていうのかな?)のため,予定を変更してゲーム理論をやりました.本来は貿易と為替の話の予定でしたが,これは皆さんに聞いてほしいので,改めてやります.

【授業の内容】
 今回のゲーム理論は駆け引きの分析についての分野です.

 まずは囚人のジレンマというプレイヤーが同時に戦略を決定するゲーム(同時手番ゲーム)を例に,ゲームとは何かを説明しました.
 ゲームとは複数のプレイヤーが存在し,あるプレイヤーの行動が他のプレイヤーに影響を及ぼすような状況のことです.囚人のジレンマゲームでは相手がどのような行動を取るかを予想しなければなりません.プレイヤーが選ぶことができる選択肢のことを戦略,またその結果にもたらされる状況を利得と呼びます.
 続いて,少しややこしくなった利得表で,支配される戦略の逐次消去を学びました.自分が持つ戦略のうちで,使い途がないもの(正確に言うと,どんな状況においても,他のある戦略と比べて同等以下の結果しかもたらさないような戦略)をどんどん捨て去ることでした.
 さて,この戦略の逐次消去でも解けない問題もあります.そんな問題を解決してしまう考え方がナッシュ均衡です.ナッシュ均衡とは,「あるプレイヤー(A)の戦略が他のプレイヤー(B)の戦略に対する最適反応になっており,Bの戦略がAの戦略に対する最適反応になっているような戦略の組合せ」です.直感的に分かりやすく言えば,「お互い,これ以上相手の裏をかけないような状況」と言えます.
 最後にやったホテリング・ゲーム(立地ゲーム)は,そのルールは単純ながら,ナッシュ均衡の考え方をつかむのに適当なゲームだと思います.

 ゲーム理論およびナッシュに関心が出たという人は次の文献等を参考に.
渡辺隆裕「図解雑学ゲーム理論」ナツメ社
神戸伸輔「入門ゲーム理論と情報の経済学」日本評論社
ロン・ハワード監督「ビューティフルマインド」

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