2009年11月28日土曜日

経済数学入門 第10回

 今回は,最大化・最小化問題と偏微分です.

【授業の内容】
 授業ではあっさりと「最大化・最小化問題」と言いましたが,授業で解いた問題は詳しく言うと「制約付き最大化・最小化問題」と呼びます.ある制約の下で,どのようにして何かを最大化・最小化するかを考えます.

 授業は予算という制約の下での効用(幸せ)最大化問題から始めました.皆さんもそうでしょうが,煩悩の多い我々には欲しいものがたくさんあります.しかし,それらをすべて買うこと(消費すること)はできません.なぜなら様々な制約があるからです.そのうち最も妨げとなるのは予算制約,つまり持っているお金に限りがあることでしょう.そのような場合,どうすれば幸せが最大になるのかを,具体的な数値例で確かめました.
 問題を解くうえでの手順は以下のとおりです.
1.目的と制約の式を区別する(必要であれば定式化する).
2.制約の式を変形して,X=2Y+5,Y=-2X+10,などのように,ある変数を他の変数で表現します.これにより,使用する変数の種類を減らすことができるのです.
3.(2.)で変形した式を目的の式に代入し,変数の種類を減らします.
4.目的の式の最大値(もしくは最小値)を探すため,微分して0と置く.これにより求める答えの1つが出てきます.
5.(4.)で得られた答えを制約の式に代入します.これで残る答えも出てきます.

 大学学部の経済学のレベル,あるいは公務員試験ぐらいのレベルであれば,以上のような手順でほとんど解くことができるでしょう.

 後半は偏微分のやり方について説明しました.偏微分とは,2つ以上の変数からなる関数の微分する方法の1つです.他の変数が一定である(固定されている)ものとして,微分するという方法です.これに対して全微分というのもありますが,社会科学系の学部で必要となることはあまりありません.
 やり方としては,ある変数で偏微分するときは「他の変数を,ただの数字であるように扱ってやる」ことに注意して,普通に微分すればよいだけです.特に新しいルールも出てきません.簡単ですね.

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