2011年4月15日金曜日

ミクロ経済学ベイシックⅠ 第2回(4/15)

 今回からしっかりミクロの話です.今日は価格メカニズムの話をしました.

【授業の内容】
 まず,前回課題として考えてもらったはずの「ダイヤモンドが高い理由」に答えてもらいました.色んな意見が出ましたし,それぞれ確かにそれらしく聞こえるのですが,どれも充分ではありません.
 結論から言えば,価格は需要と供給のバランスで決まるのです.ダイヤモンドは希少であり,それに比べて需要が多いためにダイヤモンドは高価になるのです.逆に我々の生活に欠かすことができない水や空気は,需要を上回る供給があるために非常に安価であったりタダであったりします.

 さて,ダイヤモンドだけでなくあらゆる財の価格は需要と供給のバランスで決まります.今回はその決まり方,価格調整メカニズムについて説明しました.

 まずワルラス型価格調整メカニズムです.ワルラスは,まず価格が決まると考えました.その価格に応じて需要や供給が決まります.この時,需要が供給を上回れば超過需要,供給が需要を上回れば超過供給と呼びます.超過需要とは品不足のことなので,この場合は価格は上昇します.逆に超過供給は売れ残りを意味するので,当然価格は下落します.
 いずれにせよ,通常の,右上がりの供給曲線と右下がりの需要曲線の下では,価格がどこから始まっても均衡に向かって収束します.これを安定的と呼びます.

 続いてマーシャル型価格調整メカニズムについてです.マーシャルはワルラスと異なり,まず生産量が決まると考えました.生産量が確定した後,企業が売っても良い価格(供給価格)と,消費者が買いたい価格(需要価格)が決まり,供給価格が需要価格を上回ったら超過供給価格,下回れば超過需要価格が発生します.超過供給価格の発生は,消費者が買いたい値段より生産者が売りたい値段の方が高いので,生産者は次の生産量を減らします.逆に超過需要価格が発生した場合には企業は生産量を増加させます.

 本当はくもの巣理論も説明したかったのですが,時間切れのため,ここで終り.次回は今回説明した内容を数値例を使って計算します.

【課題】
テキストpp.52-57を読んでくること.

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