2011年4月13日水曜日

経済学A 第1回(4/12)

 初回のため,わりと柔らかめの話をしました.

【授業の内容】
 まず皆さんが最も気になっているであろう「単位を取れそうか?」という話をしました.昨年度前期のこの講義では本試験を受けて単位を得られた人は88%です.またそのうち再試を受けて単位を取得した人は50%です.再試は問題を変えるので,再試の合格率はあまり高くありません.
 なお評価は基本的に期末試験(筆記)ですが,ボーナスとして授業での発表点を加算します.出席点は原則としてありません.

 以下は授業についての約束事です.
・出欠は学生証で行います.出欠をチェックする時間内にチェックできなかった人は欠席です.そのため,遅刻というものはありません.また学生証を忘れた人も欠席です.
・私語は,授業の妨げになるので当然ダメです.逆に言えば,授業の妨げにならないことは大体オッケーです.お茶を飲むのも可です.推奨しませんが寝ても文句は言いませんし,授業を受けたくない人は静かに退出してくれれば構いません.

 さて,今回の前半は,経済学とは何かを説明しました.その分析対象は実に幅広く,皆さんがイメージするお金の話(金融,株,為替など)はその一部に過ぎません.日本の経済学者の中で,現在の最もホットな話題はピークロード・プライシング(ピークロード料金)です.まあお金の話と言えばお金の話ですが,ポイントは資源配分,つまり電力の使用量をコントロールして停電を防ごうということなんです.
 経済学にはミクロとマクロという2つの視点があります.マクロは巨視的,つまり巨大なものを望遠鏡で覗いて,その全体像を理解します.逆にミクロは微視的,つまり巨大なものを構成する最も小さなプレイヤーの動きを理解することで全体像を理解します.ミクロとマクロは経済学を支える大きな2つの柱です.僕はミクロの方が好きなのですが,マクロの方が社会常識として役に立ちそうなので,授業ではマクロの話が多くなるでしょう.今回話した賃金の話などはミクロの分野ですが,面白くないですか?僕は面白いと思うのですが,押し付けかもしれませんね.

 後半は経済学において最も重要な考え方であるインセンティブをじっくり説明しました.インセンティブは日本語に直すと「誘因」,つまり人々の行動や選択を動かすものです.わかりやすく言うとアメとムチですね.経済学はアメとムチで問題を解決します.その例として,ゴミの不法投棄や保育所,そしてピークロード・プライシングの話をしました.日本人が他国の人々に比べ災害時にマナーを守るのもインセンティブのせいではないかと僕は思います.

 さて来週は次の3つを説明します.「ダイヤモンドはなぜ高いのか?」,「大学進学は得か?損か?」,「儲かる仕事とは?」です.「ダイヤモンドはなぜ高いのか?」については自分で考えてきてください.これが課題です.

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