2011年4月8日金曜日

ミクロ経済学ベイシックⅠ(4/8)

今回は,授業の評価,ミクロ経済学とは何かを説明した後,主にインセンティブについて説明しました.

【授業の内容】
 皆さんのうち,総政の先輩と仲の良い人は「ミクロは厳しい」とか「(受講者の)半分は単位を落とす」などと聞いているかもしれません.確かに否定しがたい所はありますが,大学生としてこれぐらいは勉強してほしいと思わないでもありません.情報を公開しておくと,昨年度受講者のうち,本試験を受け,本試験あるいは追再試により単位を取得できた人は73%です.また本試験前に挫折した人を含め,履修登録者のうち単位を習得した人は60%です.半分は大げさにしてお,結構な割合で単位を落としてますね….
 とはいえ,真面目に勉強する人には結構フォローをしていますし,練習問題も比較的多く配布しているので,出席して真剣に話を聞いている人はほぼ単位が取れていると思います(主観的イメージ).
 今週はミクロのイメージを掴んでもらおうと割と柔らかい話題が多かったと思います.来週以降は少なくとも今回よりは面白くなくなると思うので,今回興味が持てなかった人は取り消すのも手ですよ.

 さてミクロですが,経済におけるもっとも小さなプレイヤー(経済主体と呼びます)である個別の家計(や個人)や企業などの動きを分析するものです.より正確に言えば,各プレイヤー間で資源がどのように配分されるのかというメカニズムを解明するものです.
 前期は「完全競争市場」という仮想的空間について学び,後期は「不完全競争市場」,つまり現実の経済について学びます.

 今回はミクロ経済学において最も重要な概念である(と思う)インセンティブ(誘因)について説明し,インセンティブを用いてどのように問題を解決するかを具体例をあげて説明しました.
 合理的な人々はある選択肢に直面すると,それぞれのメリットとデメリットを予想し,最も得な選択肢を選ぶはずです.であるとすれば,人々に違う選択をさせたい場合には,それぞれの選択肢のメリットとデメリットを変化せてやれば良いのです.違う選択をするインセンティブを強めてやれば,口うるさく言わなくても,「こちらの方が得だ!」と自分から動いてくれるはずです.

(時間不足のため一時中断.続きはなるべく早めに書きます)

(ここから再開)
 これまでの話の前提として,市場経済を想定しています.市場経済とは,我々が住む日本を含む先進国のすべてに共通する経済システムです.と,改まった言い方をせず,わかりやすく言うと,誰もが好き勝手に経済活動(生産や売買)をできる状況のことです.もし皆さんがチョコレートを買いたいと思えばお店で買えば良いし,もしその値段が高いと感じれば買わなくても良いように,誰もが自分が幸せになるように利己的に行動するのが市場経済です.もちろん例外はありますが,それはまた後日.
 市場経済に対する概念として計画経済があります.市場経済では各プレイヤーはフラット(水平,横並び)な関係にありますが,計画経済は垂直(タテ)の関係です.一部のプレイヤーがいろんな財の生産量や配分を決めます.

【今回出てきた重要語句】
財(ざい):モノやサービスの総称.
市場(しじょう):財の売買が行われる場所.
インセンティブ(誘因):人々や企業の意思決定や行動を変化させるもの.

【課題】
テキストpp.8-12を読んでくること.

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