2011年4月20日水曜日

経済学A 第2回(4/19)

 今回も経済学的思考を学ぶために,いくつかの質問をしました.

【授業の内容】
 まず「ダイヤモンドはなぜ高いのか?」を考えました.その過程で,需要と供給という言葉が出てきました.需要とは,消費者がある財(商品やサービスの総称)を欲しがる気持ちのことです.供給とは,生産者(企業)による生産そのものです.
 結論は,ダイヤモンドは供給よりも需要の方が大きいために,価格が高くなります.需要が大きくても,それより供給が多い場合は価格は安く(あるいはタダに)なります.例として,空気や水がありますね.

 続いて,「大学進学は得なのか?」を説明しました.前回同様,それぞれの選択肢のメリットとデメリットを考え,それらを比較します.金銭面に限って言うと,大学進学は将来もらえる賃金が高い反面,高い学費を払わなければなりません.高卒として働く場合は,賃金が比較的低いというデメリットがあるものの,大卒よりも4年も早く働くことができます.
 ここでは機会費用という概念を説明しました.機会費用とは,ある選択肢を選んだことにより,選択を放棄した次善の選択肢から得られるもののことです.今回の例では,大学進学は,高卒として18-22歳の4年間に働いて賃金を受け取る機会を捨てることになります.つまり,大学進学にかかる費用には学費だけでなく,その4年間に受け取れたであろう所得も含めるべきなのです.この考え方は,聞いてみれば当たり前ですが,普段なかなか明確に意識できないことが多いのではないでしょうか.

 最後に,「どんな企業で働くと高い給料がもらえるのか?」を考えました.実はこれは,「なぜダイヤモンドは高い?」の結論が応用できます.ダイヤが高い理由は供給よりも需要が大きいことによる,ということでした.であるとすると,皆さんが労働力を売る時に高い値段で売るためには(高い給料をもらうためには),供給よりも需要が高い労働力を売れば良いのです.つまり欲しがっている企業は多いが,その能力を持っている学生は少ない,そんな学生になる必要があります.皆さんは大学に進学し,これから専門的な学習をしていくわけですが,企業にはどんな能力が求められているのか,という視点を持って勉強するのも面白いのではないでしょうか.

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