2011年5月6日金曜日

ミクロ経済学ベイシックⅠ 第4回(5/6)

 今回は消費者理論です.

【授業の内容】
 前回(といっても2週間前ですが),少しだけ説明した消費者理論です.まず効用と限界効用の違いを復習しました.また,限界効用逓減の法則も説明しました.限界効用逓減の法則は,簡単に言うと,消費を続ければ飽きるということです.
 限界効用をより理解するために,極端な例として,最初の限界効用は高くても次から限界効用がほぼ0になる財(情報財など)や,消費するに連れて限界効用が増加する財(中毒性のあるもの)を紹介しました.

 この限界効用の図の縦軸,限界効用を金銭表示にすると,需要曲線になります.この需要曲線を用いて,消費者余剰の説明をしました.需要曲線と価格とのギャップが消費者余剰です.例えば,150円分の効用を持つジュースを100円で買うことができれば,50円分得した気持ちがありますね.これが消費者余剰です.

 さらに,この需要曲線を用いて,同一需要曲線上の移動と,需要曲線自体のシフトの違いを説明をしました.値下げしたので需要が増えたのは同一需要曲線上の移動ですが,価格が変化していないのに需要が増減するのは需要曲線自体がシフトしたことを示しています.

 上記の話はすべて1財のケースでしたが,次に2財のケースを説明をしました.
 まず,無差別曲線を説明をしました.無差別曲線とは,2つの財(AとBとします)について,効用の水準が同じになるようなA財とB財の組み合わせを集めたものです.通常は,右下がりで,原点に向かって凸の形になります.しかし例外が多いので要注意です.今回はその例外の1つとして,代替材と呼ばれる財と財の組み合わせや,一方が全く興味がない財の場合,一方の消費により負の効用を得る場合(消費すると嫌な思いをする財)の場合を見てみました.

 最後に無差別曲線を理解しているか小テストをしました.答えはA→B,C→D,Eの順です.

【今回出てきた重要語句】
効用:幸せのこと.
限界効用:消費が1単位変化したときの効用の変化のこと.効用曲線の傾き.
無差別曲線:効用水準が一定となるような財と財との組み合わせの集合.
 

0 件のコメント: