2011年5月4日水曜日

学生参加型授業についてのメモ その0:バックグラウンド

 これは,大学での学生参加型授業導入についてのメモです.同業の方の参考になれば,またアドバイスをいただければ,と思い公開しました.

授業について
 総合政策学部の専門科目として開講しており,期間は半期(15回)です.同学部の3年生以上を対象としていますが,履修するのはほとんどが3年生です.僕はこの科目を2007年から担当しており,今年で5年目です.これまではいわゆる講義形式が中心でしたが,後述の問題点により,今年度から試験的に学生参加型授業を行うことにしました.学生の成績は3~4回提出のレポートにより評価しています(今年度も).
 受講者数は例年20名程度ですがが,今年度は約40名と多め.受講者数が例年より多い原因は授業形式が学生参加型授業になったためではなく,それ以外の影響が大きいと思います(重要ではないので割愛).

なぜ学生参加型授業を導入したのか?
 これまで開発経済学を担当してきて,学生の学習意欲・熱意が低いと感じていたためです.同学部で複数の科目を担当していますが,この科目が飛び抜けて学生の意欲が低く感じます.当然ながら学生の熱意が感じられないとこちらも楽しくないので,より良い方法を模索する中で,学生参加型授業を試すことにしました.

これまでにやってみたこと
1.ゲストスピーカーの講演
 講義の内容が理論中心であるため,せっかく開発経済学を学んでも,それが現実を反映していることが感じられなければ学ぶ意欲も薄れるだろうと考えました.そのため,半期に1人ですが開発の現場にいた経験のある方をゲストスピーカーとして招き,講演をしてもらいました.
結果:ゲストスピーカーの話には真剣に耳を傾ける.しかし,翌週からは元通り.実体験には興味があるが,それを理論と照らし合わせるという意欲は引き出せなかった.

2.ワークショップ(貿易ゲーム)
 ある国際交流イベントのワークショップで,貿易ゲームを体験したところ,非常に面白かったので,
こちらも学習意欲を喚起できると期待し,やってみました.(貿易ゲームとは,イギリスのNGO「クリスチャン・エイド」が開発した,開発教育用の教材です.)
結果:ゲームには非常に積極的に取り組んでいた.ゲーム後の「振り返り」でも有益なコメントが多かった.しかし,翌週からは元通り.

3.動画の視聴
 貧困国の現状を知るため,いくつかの動画を見せました.
結果:真剣に視聴する学生は約半数.残りは睡魔に襲われる.

 次回から,実際の授業の内容について説明します.授業中にメモを取っていないため,数値はあまり正確ではないことをお断りしておきます.

続き
学生参加型授業についてのメモ その1

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